終活で葬儀を意識し始めるとき、多くの人が直面するのは「自分の葬儀をどう準備すれば家族に負担をかけずに済むのか」という不安です。
葬儀の費用や流れを知らないまま準備を後回しにすると、いざという時に遺族が高額な出費や慌ただしい判断を迫られることになりかねません。
その解決策となるのが、生前のうちに葬儀の相場や手順を理解しておく「終活」です。
あらかじめ希望する形式や予算を整理しておけば、家族は安心して最期の時間を迎えるサポートができます。
本記事では、葬儀の費用相場や内訳、準備の流れ、そしてよくある質問への回答までをわかりやすくまとめました。
さらに、事前相談やエンディングノートの活用方法も紹介しています。
読み進めることで、自分らしい葬儀を叶えつつ家族の心と経済的負担を軽減するための具体的な行動が明確になります。


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東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
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お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。
終活の葬儀で考えるべき費用相場
終活で葬儀の準備をする際に事前に理解しておきたい、葬儀の種類別にかかる費用の違い、葬儀に含まれる基本費用の内訳、実際に必要となる追加費用の目安をご紹介。
- 葬儀の種類別にかかる費用の違い
- 葬儀に含まれる基本費用の内訳
- 実際に必要となる追加費用の目安
葬儀の種類別にかかる費用の違い
葬儀にかかる費用は、選択する形式によって大きく異なります。
一般葬
故人の親族、友人、職場関係者など幅広い方が参列する伝統的な形式で、通常通夜、告別式、火葬が含まれます。規模が大きくなる傾向があります。
家族葬
近親者のみで行われる小規模な葬儀で、最近主流となっています。
一般的に30名程度までの参列者を想定し、料理や返礼品、寺院へのお礼などを含めて約100万円が相場とされています。
火葬式(直葬)
通夜や葬儀といった儀式を行わず、火葬のみで済ませる最もシンプルな形式です。
式場の利用や祭壇の設置が不要なため、費用を抑えることができ、都内では20〜30万円、その他の地域では約15万円が相場とされています。
一日葬
通夜を行わず、告別式と火葬を一日で行う形式です。費用は一般葬や家族葬より抑えられる傾向にあります。
葬儀に含まれる基本費用の内訳
葬儀の基本費用には、選んだプランに応じて葬儀社が提供する様々なサービスが含まれます。
これらは、遺族の負担を軽減し、故人を適切に見送るために不可欠な要素です。
葬儀の企画・運営費
葬儀全体を計画し、実行するための費用で、葬儀ディレクターの人件費などが含まれます。
会場使用料
葬儀を行う式場や斎場の利用料です。
祭壇・棺
故人を安置するための棺や、供花などで飾られた祭壇の設営費用です。
遺体搬送・安置費
病院から葬儀会場や自宅への遺体搬送、および安置期間中の保冷費用などが含まれます。
実際に必要となる追加費用の目安
基本の葬儀費用以外にも、以下のような追加費用が発生することがあります。
これらを事前に把握しておくことで、予期せぬ出費を防ぎ、費用の準備がしやすくなります。
宗教者へのお礼
僧侶へのお布施など、宗教儀式を執り行う方への謝礼です。
菩提寺がある場合は、事前に目安を確認しておくと良いでしょう。
飲食費
通夜振る舞いや精進落としなど、参列者に提供する食事や飲み物の費用です。
返礼品
香典をいただいた方へのお返し(香典返し)の費用です。
参列者数を限定する家族葬でも、弔問客からの香典を辞退しない限り発生する可能性があります。
遺影・記録
故人の遺影写真の準備にかかる費用や、希望に応じて生前の映像を編集・放映する費用などが含まれます。
特別な演出・装飾
故人の希望する花の種類や色、好きな音楽の選曲、エンバーミング(遺体保全処置)といった個別要素によって費用が増加する場合があります。
火葬料
地域によって異なりますが、火葬を行うための料金が発生します。特に都市部では高額になることがあります。
葬儀後の費用
お墓の購入、仏壇の準備、遺品整理、法事・法要、相続手続きなど、葬儀後に発生する費用も終活の一環として検討しておくべきです。
終活で葬儀の準備しておく流れ
終活で葬儀の準備をしておく流れについてご紹介。
- 葬儀の希望内容を家族と話し合う
- 事前に葬儀社を比較・相談する方法
- エンディングノートに記録しておくべき項目
葬儀の希望内容を家族と話し合う
終活において、葬儀に関する希望を家族と共有することは非常に重要です。
これにより、残された家族が故人の意思を尊重し、悲しみの中で難しい決断を迫られることなく、穏やかに故人を見送ることができます。
話し合うべき主な内容は以下の通りです。
葬儀の形式
一般葬、家族葬、一日葬、火葬式など、どのようなスタイルを希望するか。
参列者の範囲
誰に葬儀に参列してほしいか、連絡先リストの共有も重要です。
宗教・宗派
仏式、神式、キリスト教式、あるいは無宗教葬の希望など。菩提寺がある場合は、無宗教葬を希望する際に事前に相談が必要です。
医療・介護の意思
延命治療の有無、臓器提供の意思、希望する介護体制など。
遺産の分配
財産目録の作成や、遺言書の作成を検討し、家族間のトラブルを未然に防ぐための方針を共有します。
個人的な希望
遺影に使いたい写真、流してほしい音楽、棺に入れてほしいものなど、具体的な要望を伝えておくことで、自分らしい葬儀を実現できます。
デジタルデータ
パソコンやスマートフォンのパスワード、オンラインサービスのアカウント情報、データの整理や処分方法についても話し合っておくと良いでしょう。
事前に葬儀社を比較・相談する方法
自身の希望に合った葬儀を執り行うためには、事前に葬儀社を比較検討し、相談することが推奨されます。
早期相談の利点
余裕を持って情報を収集し、葬儀の専門家からアドバイスを受けることで、家族の負担を軽減し、後悔のない選択ができます。
複数社からの見積もり
複数の葬儀社から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較することで、適正な価格帯を把握し、自分に合ったプランを見つけることができます。その際、初期見積もりに必要な項目が全て含まれているか確認することが重要です。
葬儀社の選定基準
会社の雰囲気やスタッフの対応、自宅からの距離、少人数向けのプランの有無などを考慮して選びましょう。インターネットでの口コミや評価も参考になります。
「生前予約」の活用
自身や家族の葬儀内容、依頼する葬儀社、希望プラン、支払方法などを生前に決めて予約する「生前予約」も終活の一環として注目されています。これにより、いざという時にスムーズに葬儀を行うことができ、遺族の精神的・経済的負担を軽減できます。
注意点
病院から紹介される葬儀社が必ずしも希望に合うとは限らないため、事前に自身で調べておくことが望ましいです。また、過度な勧誘を行う業者には注意が必要です。
エンディングノートに記録しておくべき項目
エンディングノートは、人生の終末期や死後に家族が必要とする情報をまとめるためのもので、法的な効力はないものの、故人の意思を伝え、家族の負担を軽減する上で非常に役立ちます。
基本情報、家族・親族・友人知人情報、資産・負債情報、保険・年金情報、医療・介護の希望、葬儀・埋葬の希望、デジタル遺産、ペットについて、形見分け・遺品整理、メッセージの項目を記載しておくことが推奨されます。
基本情報
氏名、生年月日、住所、本籍、重要書類(健康保険証、運転免許証、年金手帳など)の番号と保管場所。
家族・親族・友人知人情報
連絡先、故人との関係性、訃報を知らせてほしい人のリスト。
資産・負債情報
銀行口座、有価証券、不動産、借入金など、所有する財産の詳細と保管場所、パスワードのヒントなど。
保険・年金情報
加入している保険の種類、契約者、受取人、年金番号など。
医療・介護の希望
延命治療の有無、臓器提供の意思、希望する病院や介護施設、費用についてなど。
葬儀・埋葬の希望
葬儀の形式、参列者の範囲、希望する葬儀社、遺影写真、棺に入れたいもの、お墓や供養の方法など。
デジタル遺産
パソコンやスマートフォンの処分方法、オンラインサービスのアカウント情報(ID、パスワードのヒントなど)
ペットについて
飼っているペットの預け先、世話の方法、かかりつけ医などの情報。
形見分け・遺品整理
大切な品物や思い出の品の処分方法、誰に譲りたいかなど。
メッセージ
家族や友人への感謝の言葉、残りの人生でやりたいこと、後悔していることなど、個人的な思い。
終活の葬儀でよくある質問Q&A
終活の葬儀でよくある質問をいくつかご紹介。
生前に契約するメリットと注意点は?
生前に葬儀の契約(生前予約)をすることには、多くのメリットといくつかの注意点があります。
メリット
遺族の負担軽減、希望通りの葬儀を実現、費用の把握と計画、独身者・身寄りのない方の安心、冷静な判断などのメリットがあります。
遺族の負担軽減
故人が亡くなった直後の混乱期に、遺族が葬儀社の選定や詳細な打ち合わせに追われることなく、故人とゆっくり過ごす時間を持てます。
費用を事前に支払っておけば、経済的負担も軽減されます。
希望通りの葬儀を実現
自分の意思で葬儀の形式、内容、音楽、遺影などを決められるため、後悔のない「自分らしい最期」を迎えることができます。
費用の把握と計画
事前に費用を見積もり、計画的に準備できるため、予算オーバーや不必要な高額プランを避けることができます。
独身者・身寄りのない方の安心
家族や親族がいない場合でも、自分の意思で葬儀の手配をしておくことで、周囲に迷惑をかけることなくスムーズな葬儀が可能です。
冷静な判断
感情的な状況ではなく、落ち着いて葬儀内容を検討し、選択する時間があります。
注意点
注意点として、家族の理解と同意、状況の変化、費用の管理、予期せぬトラブルなどがあります。
家族の理解と同意
生前予約は「縁起が悪い」と考える家族もいるため、事前に十分に話し合い、理解を得ることが不可欠です。
状況の変化
長い年月が経過する中で、葬儀社の倒産、喪主となる予定者の死亡、自身の希望の変化などが起こる可能性があります。
プランの変更や解約が可能な柔軟な契約を選ぶことや、葬儀信託などの利用を検討すると良いでしょう。
費用の管理
事前支払いの場合、葬儀社が破産した際の保証制度を確認する必要があります。
葬儀信託は、費用を弁護士や金融機関に預け、葬儀実施時に支払われる仕組みで、こうしたリスクを回避できます。
予期せぬトラブル
見積もりと実際の費用が異なる、葬儀社の値上げ、家族が生前予約を忘れて別の葬儀社に依頼し、違約金が発生するといった事態も考えられます。
無宗教葬や直葬も選べるのか?
近年、葬儀の形式は多様化しており、無宗教葬や直葬といった選択肢も増えています。
直葬(火葬式)
通夜や告別式を行わず、火葬のみで故人を見送る最も簡素な葬儀形式です。
費用を大幅に抑えられるメリットがあります。
核家族化や高齢化社会の進展を背景に、家族に負担をかけたくないという思いから選択されることが増えています。
しかし、こちらも菩提寺との関係性によっては難しい場合があるため、事前の確認が重要です。
記事全体のまとめ
「終活」は、人生の終わりを見据えて準備を進める活動であり、決してネガティブなものではなく、残りの人生をより豊かに、自分らしく生きるための前向きな取り組みです。
終活で葬儀の準備を行う主な目的は、残された家族の精神的・肉体的・経済的な負担を軽減し、遺産相続などのトラブルを未然に防ぎ、そして何よりも自分自身の望む形で人生の終焉を迎えることです。
終活は、「いつから始める」という決まりはなく、自身のライフイベントや関心を持った時が始め時です。
焦らず、体力と気力のあるうちに、一つずつ自分のペースで進めることが大切です。
不明な点があれば、専門家や葬儀社に相談し、納得のいく形で終活を完遂しましょう。


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