終活は人生の最期を自分らしく迎えるための準備ですが、実際にはトラブルに発展するケースも少なくありません。
たとえば、遺言書の内容をめぐる家族間のもめ事や、葬儀費用・契約内容に関する誤解など、思わぬ問題が起きることもあります。
こうしたトラブルを未然に防ぐためには、信頼できる相談先を見つけることが重要です。
この記事では、終活の際にトラブルを防ぐための相談先として、葬儀社の終活サービスをはじめ、専門家や自治体のサポート窓口など、頼れる相談先を具体的に紹介します。


〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。
終活のトラブルを防ぐ5つの具体的対策
予期せぬトラブルを回避し、大切な家族に迷惑をかけない安全な終活を実現するためには、元気なうちに具体的な行動計画を立てて準備を進めることが不可欠です。
- 法律専門家に相談して遺言書を整える
- 資産・契約を一覧化して家族と共有
- デジタル情報(ID・パスワード)を整理
- 信頼できる業者選びと契約書確認
- 見直し・更新を定期的に行う
法律専門家に相談して遺言書を整える
相続に関する争いを防ぐための最も確実な手段の一つは、法的効力を持つ遺言書を正式な形式で作成することです。
特に法定相続とは異なる遺産配分を望む場合や、内縁のパートナーなど法定相続人以外の人に財産を遺したい場合は、必ず遺言書を作成しておく必要があります。
自筆証書遺言は形式不備で無効になるリスクがあるため、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談し、「公正証書遺言」の形で準備を進めることが、法的確実性を高める上で推奨されます。
資産・契約を一覧化して家族と共有
故人の死後、家族が財産を把握できないことで相続漏れや手続きの長期化を招く事態を避けるため、保有する全ての資産と契約を「見える化」することが重要です。
不動産や預貯金、保険といった目に見える財産だけでなく、動画配信や定期購入サービスなどのサブスクリプション契約一覧も作成し、家族と情報を共有しておきましょう。
特に財産や契約の目録をエンディングノートなどに記載し、その保管場所を家族が把握できるように伝えておくことで、万が一の際の混乱を大幅に減らせます。
デジタル情報(ID・パスワード)を整理
デジタル遺品によるトラブルを回避するには、生前に利用サービスを整理し、有料サービスやSNSなど不要なものは早めに解約・アカウント削除を済ませておくことが最善です。
残す必要のあるスマートフォンやパソコンのロック解除パスワード、およびSNS、有料サービスなどのアカウント名とID、パスワードをリストアップし、エンディングノートなどにまとめておきましょう。
ただし、ネット銀行や証券会社といった重要な金融機関のログイン情報(パスワード)は、安全対策として目に付きやすい場所に保管しないよう注意し、口座の存在のみを家族に伝えるに留めることが推奨されます。
信頼できる業者選びと契約書確認
終活に関連するサービス(葬儀、身元保証、遺品整理など)を利用する際は、詐欺被害を防ぐために慎重な業者選びが必要です。
契約を急かす勧誘や、「今だけ特別価格」といった不自然な値引きを提示する業者は警戒すべきです。
必ず複数の業者から見積もりを取り、市場価格を比較検討するとともに、契約する際は、サービス内容や料金、解約時の条件などが明確に明記された契約書を書面で受け取り、内容をよく確認しましょう。
身元保証サービスにおいては、預託金の保管方法や苦情窓口の有無など、トラブルを防ぐためのチェックリストを活用し、不審な点があれば公的機関に相談することが大切です。
見直し・更新を定期的に行う
終活で最も大切にすべきことの一つとして、整理した内容の定期的な見直しと更新が挙げられています。
特にデジタル情報やサブスクリプション契約は日々変化し増減していくため、定期的に内容を確認し、利用していないサービスを解約したり、ログイン情報を更新したりする作業が必要です。
自分の健康状態や家族の状況に合わせて計画を見直すことで、途中で挫折することを防ぎ、終活を継続させる秘訣となります。
終活でトラブルが起きないための相談先は?
終活の準備を円滑に進め、将来的な問題を避けるためには、適切な相談先に頼ることが極めて重要です。
自分の抱える不安や問題の種類に合わせて、民間の専門サービスから公的機関の窓口まで、最適な支援を探すことが推奨されます。
- 葬儀社の終活サービス
- 行政や公的機関の無料相談窓口を活用する
- 専門家(弁護士・司法書士・ファイナンシャルプランナー)に相談する
葬儀社の終活サービス
終活の一環として、自身の死後の葬儀やお墓に関する希望を具体的に決定したい際には、葬儀を専門に取り扱う業者や互助会に相談できます。
多くの葬儀社では、生前の相談や葬儀の予約を無料で受け付けており、プロの視点から葬儀の形式や費用についてサポートを提供することで、遺族が直面する手配の負担を軽減する役割を果たします。
ただし、業者によって提示されるサービス内容や料金体系には差があるため、契約を結ぶ際は、自分にとって本当に必要かどうかを吟味し、複数の会社の提案を比較検討することが肝要です。
感謝の終活でも葬儀だけでなく終活全体のサポートを行っておりますので、ぜひご相談ください。
行政や公的機関の無料相談窓口を活用する
費用をかけずに信頼性の高い情報を得たい場合、市区町村の福祉課や地域包括支援センターといった公的な相談窓口を利用できます。
特に地域包括支援センターは、主に65歳以上の高齢者とその家族を対象としており、介護や医療、健康、生活全般にわたる総合的な相談を無料で受け付けています。
公的機関であるため提供される情報の信頼性は高いものの、民間の専門サービスに比べて相談できる範囲が限定的となる可能性がある点には留意が必要です。
専門家(弁護士・司法書士・ファイナンシャルプランナー)に相談する
相続や財産の管理、法的な効力を持つ遺言書の作成といった専門性の高い問題については、法律や財務の専門家への相談が推奨されます。
弁護士は、遺産分割など法的な争いに発展しやすい問題に対し、法律に基づいた専門的な助言や、紛争時の交渉・裁判の代理といった対応が可能です。
司法書士は、不動産の登記変更や遺言書の作成支援においてスムーズな手続きを提供し、弁護士よりも費用が抑えられる利点があります。
ファイナンシャルプランナー(FP)は、個人の財産状況に基づいた資産運用や長期的な財務計画について具体的なアドバイスを提供してくれます。
専門家の支援を受けることで、相続トラブルを未然に防ぎ、法的な有効性を確保した準備を進めることができるでしょう。
終活のトラブルの原因は?
終活で問題が発生する主な要因は、事前の準備不足や情報の共有不足にあり、特にデジタル化の進展や、親族間の複雑な関係性がトラブルの火種となります。
- 終活トラブル(遺言・相続)で起きる典型的な問題
- 終活トラブル(デジタル遺品・ログイン情報)で起きる問題
- 終活トラブル(詐欺・身元保証)で狙われやすいケース
終活トラブル(遺言・相続)で起きる典型的な問題
相続は、たとえ生前に家族仲が良好であったとしても、金銭や不動産が絡むことで意見の対立を引き起こす可能性があります。
特に不動産は大きな金額となるため、誰がどれだけ相続するかを決めておかないと、親族間で深刻な争いへと発展しかねません。
また、法的に有効な遺言書が残されていない場合、故人の意思が反映されず、遺産分割を巡って家族が揉める原因のトップになります。
さらに、夫婦間に子どもがいないケースでは、相続権が配偶者と故人の親や兄弟姉妹に移るため、義理の親族との間で金銭的な意見衝突が起こりやすい傾向があります。
終活トラブル(デジタル遺品・ログイン情報)で起きる問題
スマートフォンやパソコンが広く普及した現代において、故人が生前に利用していたデジタル情報が整理されていないことによるトラブルが急増しています。
デジタル遺品はパスワードなどで厳重にロックされていることが多く、遺族であっても容易にアクセスできないため、端末にログインできないと、重要なデータを取り出せなくなります。
その結果、ネット銀行や証券口座、仮想通貨といった金銭的価値のあるデジタル資産の存在に家族が気づけず、相続から漏れてしまったり、休眠口座化したりする事態が発生します。
また、動画配信や音楽、クラウドストレージなどのサブスクリプションサービスは、解約手続きが行われない限り自動更新され、死後も不必要な支払いが継続されてしまうことが最大のリスクの一つです。
故人のSNSアカウントが悪意のある第三者に乗っ取られ、なりすましや詐欺行為に利用されることで、残された友人や家族に精神的なダメージを与える事例も報告されています。
さらに、端末内にしか連絡先が保存されていない場合、ロック解除ができないと、葬儀に呼ぶべき大切な関係者への訃報を伝えられなくなるという問題も生じます。
終活トラブル(詐欺・身元保証)で狙われやすいケース
最も狙われやすいのは、一人暮らしで周囲に相談できる人がおらず孤立している人や、認知症などにより判断能力が低下している人たちです。
主な詐欺の手口として、無料で点検サービスを装い高額なリフォームや健康グッズを売りつける詐欺、あるいは葬儀や死後の不安を煽り、高額な商品や嘘の葬儀プランを契約させるセミナー詐欺などが存在します。
また、身元保証サービスを装った詐欺では、「将来の生活支援」や「死後の手続き」を約束しつつ、サービス内容が不明確なまま高額な預託金を要求し、最終的にサービスを提供せずに業者が行方をくらます悲惨な事例も報告されています。
遺品整理や生前整理を謳った詐欺では、最初は安価な料金を提示しながら後から高額な追加料金を請求したり、作業中に発見した貴重品を不当な価格で買い取ろうとしたりする手口も見られます。
終活のトラブルが起きた場合の対応フロー
終活に関連する問題やトラブルが発覚した場合、迅速かつ冷静に対応することで、被害の拡大を防ぎ、解決へと導くことができます。
- 問題発覚時にまずすべきこと
- 専門家に依頼すべき場面
- 家族間での合意形成の進め方
問題発覚時にまずすべきこと
もし詐欺被害や不当な契約が疑われる場合は、直ちに消費者ホットラインや最寄りの警察署、消費生活センターに連絡することが推奨されます。
また、不審な人物とのやり取りにおいては、その場で契約の判断を避け、「家族に相談してから決める」という姿勢を貫くことが、さらなる被害を防ぐために非常に重要です。
専門家に依頼すべき場面
自力での解決が難しく、専門的な知識が必要とされる状況では、プロの力を借りることが最善です。
特に相続に関する法的な争いや、遺言書の有効性、不当な契約の解除や返金請求といった法的対応が必要な場合は、弁護士や行政書士に相談すべきです。
おひとりさまの終活においては、入院時の保証人や認知症になった場合の成年後見人の選任など、複雑な手続きや将来的な生活サポートが必要とされる場面で、専門的なサポートが不可欠となります。
家族間での合意形成の進め方
終活、特に介護や相続に関する問題は、兄弟姉妹の間で負担が偏るなど、感情的な溝を生むことが多いため、家族間での冷静な話し合いが不可欠です。
重要な決定事項は特定の個人だけで判断せず、日頃から介護や資産状況についての情報共有を適切に行っておくことが、トラブルを防ぐ防衛線となります。
家族間の意見が衝突しやすい問題については、故人(親)の希望を最優先としつつ、第三者である専門家や公的機関の仲介を通じて冷静に話し合うことも有効です。
終活は家族の絆を深める機会でもあるため、互いの立場を尊重しながら、無理のない範囲で協力を進めることが大切です。
終活のトラブルに関するよくある質問
終活のトラブルに関するよくある質問をいくつかご紹介していきます。
遺言書は自筆でいい?公正証書遺言?
遺言書には、本人が書く「自筆証書遺言」と、専門家が関与し公証役場で保管される「公正証書遺言」、そして秘密に保管する「秘密証書遺言」の大きく三種類があります。
自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、書き方を誤ると法的な効力を失ってしまうリスクが高く、また、他者による書き換えの可能性も否定できません。
これに対し、公正証書遺言は公証人が関与するため、無効になる危険性が圧倒的に低く、相続を巡るトラブルを防ぐ上では最も推奨される形式です。
確実に自分の意思を反映させ、家族間の争いを避けたいと考えるならば、弁護士や行政書士などの専門家へ相談し、公正証書遺言の作成を選択すべきでしょう。
ネット口座・パスワードは誰に預ける?
ネット銀行や証券口座などの金融資産のログイン情報(ID/パスワード)は、プライバシーに関わる機微情報であり、安全性を考慮すると、目につきやすい場所に詳細を保管することは避けるべきです。
金融資産に関しては、家族に口座の存在(サービス名)を伝えておくこと、そして、その情報が記載されたエンディングノートやリストの保管場所を知らせておくことで十分な対策となります。
パスワード自体を共有することに抵抗がある場合は、信頼できる家族や、契約している身元保証会社などに一部の情報のみを預ける方法や、パスワード管理アプリを活用した上で、そのマスターパスワードの管理方法を共有相手と決めておくなどの工夫が必要です。
身元保証サービスで注意すべき点は?
おひとりさまが介護施設への入所や入院をする際、身元保証人が必須となることが多いため、民間の身元保証サービスを利用する選択肢があります。
しかし、この分野ではサービス内容が不透明なまま高額な契約を迫る詐欺トラブルが報告されているため、契約時には十分な注意が必要です。
契約の際には、後見制度の利用予定がないか、遺言作成や医療同意が可能だと謳っていないか、不必要なサービスがセットになっていないかなど、「身元保証事業のトラブルを防ぐためのチェックリスト」を用いて確認しましょう。
特に高額な入会金や事務手数料を求められていないか、契約終了時の返金規定が明確か、預託金の使用使途や残金の報告義務が定められているかといった点について、書面で厳しくチェックすることが重要です。
もし契約内容に少しでも疑問を感じた場合は、市区町村や地域包括支援センターといった公的機関に相談し、アドバイスを求めることが推奨されます。
記事全体のまとめ
デジタル社会に生きる現代において、終活はもはや実体のある資産の整理に留まらず、目に見えないデジタル資産の整理を含む、未来への重要な準備活動です。
終活を怠ると、遺族が不必要な支払いや手続きに追われたり、相続争いの火種を残したりするなど、大切な人に大きな負担をかけてしまうリスクがあります。
トラブルを避けるためには、遺言書を整え、所有するすべての資産と契約、そしてデジタル情報を「見える化」して家族と共有することが、最も効果的な対策です。
また、専門家や公的機関といった適切な相談先を活用し、詐欺などの悪質な業者に騙されないよう、慎重に準備を進めることが求められます。
終活は人生の終わりを意識するネガティブな活動ではなく、残された時間をより豊かにするための前向きな行動であり、残された家族への優しさでもあります。
「自分は大丈夫」と思わず、完璧を目指すのではなく、小さな一歩からでも、計画的に整理を始めることが、将来の安心へと繋がるでしょう。


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東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
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