50代に入り、老後の生活や家族への負担について考え始める人は少なくありません。
しかし、いざ「終活を始めよう」と思っても、何から手をつければよいのか分からず時間だけが過ぎてしまうケースが多いのが現状です。
そこで今回は、50代からでも無理なく進められる終活の優先順位と、その事前作業がもたらすメリットを具体的に紹介します。
事前に正しい手順で進めれば、家族の負担を減らすだけでなく、自分自身の暮らしも安心で快適なものにできます。
この記事では、終活の基本から優先順位の決め方、事前準備のチェックポイントまでを体系的に解説します。
読み終えたときには、すぐに自分の状況に合わせた終活プランを作成できる状態になっているはずです。


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終活で50代がまず押さえるべき優先順位は何か
50代から終活を始める場合の優先順位として、まず財産や書類整理などを進めつつ家族にも情報を共有しておくことが重要です。
- 財産や書類整理を50代で始めるべき
- 人間関係と家族への情報共有の重要性
財産や書類整理を50代で始めるべき
終活において、自身の財産状況を把握し、整理することは非常に重要です。
預貯金、不動産、保険、有価証券など、所有するすべての資産を一覧にしてまとめておきましょう。
50代のうちに資産状況を明確にすることで、老後に必要となる資金を把握しやすくなり、計画的な貯蓄や資産運用を進めることができます。
これにより、漠然としたお金への不安を解消し、精神的な余裕を持つことにつながります。
また、近年特に重要性が増しているのがデジタル資産の整理です。
スマートフォンやパソコンに保存された写真や動画、SNSのアカウント、ネット銀行のIDやパスワードなど、死後に家族が困らないよう情報をまとめておく必要があります。
人間関係と家族への情報共有の重要性
終活を進める上で、家族との情報共有は最も大切な要素の一つです。
自分の考えや希望を一方的に伝えるのではなく、家族の意見や気持ちも丁寧に聞き、話し合いながら進めることが円滑な終活につながります。
特に、医療や介護に関する希望(延命治療の有無など)、葬儀やお墓の形式に関する意向、そして財産の分配に関する考えは、家族が将来トラブルを抱える可能性を減らすためにも、明確に伝えておくべきです。
終活で50代が事前作業をする3つの大きなメリット
終活で50代が事前に作業をするメリットとして、家族の精神的・経済的負担を軽減できたり、自分の石を正しく残せる、心の整理と安心感を得られることが挙げられます。
- 家族の精神的・経済的負担を軽減できる
- 自分の意思を正しく残せる
- 心の整理と安心感を得られる
家族の精神的・経済的負担を軽減できる
終活の最も大きなメリットの一つは、残された家族の負担を大幅に減らせる点です。
もし、終活の準備が不足していると、予期せぬ事態が起きた際に、家族は葬儀の手配、遺品の整理、相続手続き、金融機関とのやり取りなど、多くの作業に追われることになります。
特に、財産に関する情報が不明瞭だと、家族間で相続をめぐる争いが生じる可能性があり、精神的にも大きな負担となるでしょう。
50代から終活を始めることで、これらの手続きや決定事項を事前に整え、家族が混乱することなく、故人の意思を尊重した対応ができるようになります。
自分の意思を正しく残せる
50代は、自身の体力や判断能力が十分に保たれている時期であり、自分の希望を正確かつ明確に伝えることができます。
例えば、医療や介護に関する希望(延命治療の有無など)や、希望する葬儀の形式、お墓の種類、さらには遺影に使ってほしい写真など、具体的な意思表示が可能です。
特に、財産の分配に関する希望を法的な効力を持つ「遺言書」として残すことで、自身の財産が意図しない形で使われたり、家族間でトラブルが生じたりするのを防ぐことができます。これにより、最期まで自分らしい選択を貫くことができるでしょう。
心の整理と安心感を得られる
終活は、これまでの人生を振り返り、これからの生き方を見つめ直す貴重な機会となります。
自分の価値観や人生観が明確になることで, 漠然とした老後への不安が軽減され、心にゆとりと安心感が生まれます。
「人生100年時代」と言われる現代において、50代はまだ人生の折り返し地点。
この時期に終活に取り組むことで、定年後の新たな趣味を見つけたり、挑戦したかったことに時間を費やしたりするなど, 残りの人生をより豊かで充実したものにするきっかけが見つかるでしょう。
終活で50代がつまずきやすい失敗事例と回避策
終活で50代がつまずきやすい失敗事例として、準備不足による家族間トラブルや情報の未整理による手続きの混乱、やり残しが多く途中でやめてしまうことが挙げられます。
- 準備不足による家族間トラブル
- 情報の未整理による手続きの混乱
- やり残しが多く途中でやめてしまう
準備不足による家族間トラブル
終活を始める際に、家族とのコミュニケーションが不足していると、予期せぬトラブルに発展することがあります。
特に、遺産相続に関する希望が曖昧な場合や、医療・介護の意思が伝わっていない場合は、残された家族が難しい判断を迫られ、後悔や軋轢を生む原因となります。
また、物の整理(断捨離)を進める際に、家族の持ち物を勝手に処分してしまうこともよくある失敗事例です。
自分にとっては不要でも、家族にとっては大切な思い出の品である場合があり、信頼関係を損なうことにつながりかねません。
回避策
終活は家族に一方的に押し付けるものではなく、「家族と話し合いながら進める」という意識を持つことが大切です。
終活を始める理由や、前向きな取り組みであることを伝え、家族の理解と協力を得ながら進めることで、スムーズな終活が実現します。
情報の未整理による手続きの混乱
終活において、必要な情報が整理されていないと、いざという時に家族が混乱し、手続きが滞る原因となります。
例えば、銀行口座の暗証番号が不明なためお金が引き出せない、デジタル資産(SNSアカウント、ネット銀行のパスワードなど)の管理情報が分からず解約できないといった問題が実際に発生しています。
また、葬儀やお墓に関する希望が不明確だと、家族は故人の意向を推測しながら手続きを進めることになり、時間的・精神的な負担が大きくなります。
回避策
終活ノート(エンディングノート)を活用し、自身の基本情報、医療・介護の希望、財産情報、デジタル資産情報、葬儀・お墓の希望などを体系的に記録することが有効です。
これにより、家族がスムーズに情報にアクセスし、必要な手続きを進められるようになります。
やり残しが多く途中でやめてしまう
終活は多岐にわたるため、「何から手をつければいいか分からない」「一度に全てをやろうとして挫折してしまう」といった声も聞かれます。
計画性がなく、中途半端な状態で終わってしまうと、結果的に家族に負担を残してしまうことになります。
回避策
終活は「完璧を目指す」のではなく、「小さなことから無理なく始める」のが継続のコツです。
例えば、まずは身の回りの物を少しずつ整理する「断捨離」から始めるのが良いでしょう。
また、終活の計画や作成した書類(終活ノートや遺言書)は、一度作成したら終わりではありません。
定期的に見直し、状況の変化に合わせて更新することが重要です。
自身の健康状態、家族構成、経済状況、社会制度などが変化する可能性があるため、柔軟な対応を心がけましょう。
必要であれば、終活セミナーや専門家への相談窓口を活用することも有効です。
終活で50代から取り組むための実践的な内容
実際に終活に取り組むシアノ実践チェックリストとして、1カ月以内にできること、半年以内に整えたいこと、1年以内に終えたい内容をご紹介。
1ヶ月以内にできること
1カ月以内にできることとして、身の回りの整理を始める、終活ノートを準備して基本情報を記入する、家族に終活を始める意向を伝えることが挙げられます。
- 身の回りの整理を始める
- 終活ノートを準備し、基本情報を記入する
- 家族に終活を始める意向を伝える
身の回りの整理を始める
まずは引き出し一つ、棚一つなど、手のつけやすい小さな範囲から断捨離を始めましょう。明らかに不要なものから処分すると良いでしょう。
終活ノートを準備し、基本情報を記入する
市販のノートや無料テンプレートを用意し、氏名、生年月日、連絡先など、簡単な個人情報や緊急連絡先を書き込んでみましょう。
家族に終活を始める意向を伝える
終活は前向きな行動であることを伝え、なぜ今始めるのか、どういったことを考えているのかを軽く話し合ってみましょう。
半年以内に整えたいこと
半年以内に整えたいこととして、物の整理をさらに進める、資産の概略を把握する、医療・介護の希望をざっくりと考える、デジタルデータの整理などが挙げられます。
- 物の整理をさらに進める
- 資産の概略を把握する
- 医療・介護の希望をざっくりと考える
- デジタルデータの整理
物の整理をさらに進める
使用頻度に応じて物を分類するなど、より具体的な断捨離に取り組みます。思い出の品などは後回しにし、日常的に使わないものから進めるのが効果的です。
資産の概略を把握する
銀行口座、保険証券、不動産の有無など、現在の資産状況を一覧にしてまとめておきます。
詳細な金額まで記載する必要はありませんが、どこに何があるかを明確にしましょう。
医療・介護の希望をざっくりと考える
延命治療の希望の有無や、将来介護が必要になった場合にどのような形式(在宅か施設か)を望むかなど、大まかな意向を検討し、終活ノートに記しておきましょう。
デジタルデータの整理
利用しているSNSアカウントやサブスクリプションサービス、ネット銀行などをリストアップし、不要なデータは削除を検討します。
1年以内に終えるべきこと
1年以内に終えるべきこととして、遺言書の作成の検討や老後資金計画の具体化、葬儀屋お墓の希望を具体的に固めること、などがあります。
- 遺言書の作成を検討する
- 老後資金計画を具体化する
- 葬儀やお墓の希望を具体的に固める
遺言書の作成を検討する
財産の分配に特定の希望がある場合は、遺言書の作成を本格的に検討し始めましょう。
必要であれば、弁護士や司法書士など専門家への相談も検討します。
老後資金計画を具体化する
自身の資産状況を踏まえ、老後に必要な具体的な生活費を試算し、不足分があれば貯蓄や資産運用の計画を立てます。
葬儀やお墓の希望を具体的に固める
葬儀の形式(家族葬、一日葬など)、希望するお墓の種類(一般墓、樹木葬、散骨など)を具体的に決め、終活ノートに記載します。
必要であれば、葬儀社への事前相談も検討しましょう。
終活で50代の方が始める際のよくある質問をご紹介
50代の方が終活を始める際のよくある質問をご紹介。
50代から始めるのは早すぎない?
いいえ、50代から終活を始めるのは決して早くありません。
体力と判断力がある、セカンドライフの計画が立てやすい、老後資金の準備が間に合うなどの理由から、むしろ最適なタイミングと言えます。
体力と判断力がある
終活には物の整理や重要な決定が含まれるため、心身ともに元気な50代で始めるのが効率的です。
セカンドライフの計画が立てやすい
50代は子育てが一段落し、定年後の人生設計をじっくりと考える余裕が生まれる時期です。
老後資金の準備が間に合う
50代から老後資金の計画を立てることで、必要な費用を把握し、余裕を持って資産を形成する時間が十分にあります。
終活ノートと遺言書はどう違う?
終活ノート(エンディングノート)と遺言書は、目的と法的な効力において異なります。
終活ノート(エンディングノート)
これは個人の気持ちや希望、家族に伝えたい情報などを自由に書き記すものです。
医療・介護の希望、葬儀やお墓の意向、連絡先リスト、デジタル資産のパスワードなど、多岐にわたる情報をまとめることができますが、法的な効力はありません。
遺言書
これは自身の財産を誰にどのように分配するかを法的に指定する文書です。
法的な効力を持つため、特定の形式や要件を満たす必要があります。
相続トラブルを防ぐために非常に重要とされています。
費用をかけずに進める方法は?
終活は費用をかけずにある程度進めることが可能です。
終活ノートの活用
市販のノートを購入するか、インターネットで無料のテンプレートをダウンロードして自分で作成できます。
多くの葬儀社や終活サポート団体が無料でエンディングノートを提供している場合もあります。
自筆証書遺言の作成
遺言書の中でも、自分で全文を書き、署名、押印、日付を記載することで作成できる「自筆証書遺言」は、ほぼ費用がかかりません。
ただし、法的効力を持たせるためには厳格な要件を満たす必要があるため、注意が必要です。
身の回りの整理(断捨離)
物を減らす作業は、費用をかけずに始められる終活の第一歩です。
不要な物を処分することで、遺品整理にかかる将来の費用を抑える効果もあります。
無料相談の活用
多くの葬儀社や司法書士事務所が、終活に関する無料の事前相談やセミナーを提供しています。
これらを活用して、専門的な知識を得たり、不安を解消したりすることができます。
記事全体のまとめ
終活は、「まだ先のこと」ではなく、50代から始めることで得られる多くのメリットがある前向きな活動です。
体力や判断力が充実している50代のうちに始めることで、計画的に老後資金を準備し、理想のセカンドライフを具体的に描くことができます。
終活は、自分自身の将来に対する漠然とした不安を軽減し、心にゆとりをもたらすだけでなく、残された家族の精神的・経済的負担を大きく軽減する「思いやり」の行動でもあります。
物の整理、財産の明確化、医療・介護や葬儀の希望の共有、そして終活ノートや遺言書の活用は、終活の具体的なステップとなります。
これらを一度に全てやろうとするのではなく、小さなことから着実に始め、定期的に見直していくことが成功の鍵です。
終活は「死」を意識するだけでなく、「今」を大切に、そして「これから」の人生を自分らしく豊かに生きるための準備です。
今日からできる一歩を踏み出すことで、あなた自身の笑顔と、大切な人の安心につながっていくでしょう。


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営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。