終活を考えるときに、多くの方が直面するのが「相続をどう進めればいいのか」という問題です。
家族に迷惑をかけたくない、でも専門的なことはよく分からないと悩む方も少なくありません。
そんなときの解決策は、信頼できる相談先を早めに見つけておくことです。
司法書士や弁護士など専門家への依頼はもちろん、最近では葬儀社が終活全体を見渡して相続の相談窓口を担うケースも増えています。
なぜ葬儀社が有効かというと、葬儀社なら「相続だけでなく葬儀や供養まで一括してサポートできる」ため、個別の専門家に比べて全体をスムーズに調整できるからです。
この記事では、終活における相続の相談先の選び方、準備しておくべきこと、トラブルを避ける方法までわかりやすく解説します。
読むことで「誰に相談すれば安心か」が理解でき、将来の不安を軽くしながら円滑に相続準備を進められるようになります。
〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
（成城学園前駅 徒歩4分）
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
（事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。）
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所（施設・ご自宅など）への訪問でのご相談もお受けしております。
終活の相続はどこに相談すればいい？
終活の相談として全体的な相談ができる葬儀社という選択肢や、相続の相談で他にもよく利用される窓口一覧をご紹介。
- 全体的な相談ができる葬儀社という選択肢
- 相続相談でよく利用される窓口一覧
全体的な相談ができる葬儀社という選択肢
葬儀社は、その名の通り葬儀を行うことが主な業務ですが、終活においては多岐にわたる相談に対応できる窓口としても機能します。
終活を「何から始めればいいか分からない」と感じている人にとって、葬儀社は最初の相談先として非常に有効です。
葬儀の形式や内容、費用、遺影写真の選定、お墓の希望（永代供養墓、樹木葬、散骨など多様な選択肢を含む）など、死後に家族が直面する具体的な事柄について生前に相談し、決めておくことができます。
これにより、残された家族が悲しみの中で戸惑うことなく、故人の意思に沿った形で葬儀や供養を進められるという大きなメリットがあります。
また、葬儀社によってはエンディングノートの書き方に関するアドバイスを提供したり、老後の不安解消を目的とした終活セミナーを開催したりしている場合もあります。
さらに、相続税対策として葬儀費用が控除対象となることや、生前にお墓や仏壇を購入することで相続税の節税につながる情報を提供することもあります。
多くの葬儀社は無料で事前相談を受け付けており、気軽に終活の一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。
専門的な法律や税金の問題については、提携している他の専門家（司法書士や税理士など）を紹介してくれる場合もあります。
相続相談でよく利用される窓口一覧
相続に関する終活の相談先としては、以下のような窓口が一般的に利用されています。
弁護士
遺言書の作成支援、遺産分割協議の代理、相続争いの解決、成年後見制度や任意後見契約、家族信託契約、死後事務委任契約に関する法的なアドバイスと手続き代行など、幅広い法律問題に対応します。
司法書士
遺言書の作成（特に公正証書遺言の作成支援）、家族信託制度、死後事務委任契約、不動産登記（相続登記を含む）、預貯金や有価証券の相続手続き代行など、主に法的な手続きの専門家です。
税理士
相続税の計算、相続税対策（生前贈与、不動産の購入、生命保険の活用など）、財産目録の作成支援、相続税申告など、税金に関する専門的なアドバイスを提供します。
行政書士
遺言書や死後事務委任契約の作成支援、家族信託契約のサポートなど、書類作成や手続きの代理業務を行います。
ファイナンシャルプランナー（FP）
老後資金の計画、資産運用、年金制度、保険の見直しなど、お金に関する総合的なライフプランニングをサポートします。
終活は「今」が始め時であり、何から手をつけて良いか分からない場合は、まずはこれらの窓口に相談してみることをお勧めします。
終活で相続をめぐるトラブル
終活で相続をめぐるトラブルとトラブルを回避するための具体策をご紹介。
- 遺産分割で起こりやすい問題
- 争族を避けるための具体策
遺産分割で起こりやすい問題
遺産分割を巡る争いは、残された家族にとって大きな精神的負担となり、「争続」や「争族」とも呼ばれることがあります。
財産の金額がどれほど多くても少なくても、こうしたトラブルは発生する可能性があります。
特に問題になりやすいケースとしては、以下のような状況が挙げられます。
不動産が主たる財産の場合
不動産は現金のように容易に分割できないため、誰が引き継ぐか、あるいは売却して代金を分けるかなどで意見が対立しやすく、争いの種となりがちです。
相続人同士の関係性
生前から相続人同士が疎遠、あるいは不仲である場合、遺産分割協議での合意形成が非常に困難になります。
特定の相続人が故人の介護や世話を担っていた場合、他の相続人から財産の使い込みや不公平な生前贈与を疑われることもあります。
故人の意思が不明確
遺言書がない場合、遺産は法定相続分に基づいて分割されることになりますが、具体的な財産の割り振りについては相続人全員の合意が必要です。
この合意が得られず、調停や審判に発展するケースも少なくありません。
デジタル遺産の問題
近年増加しているデジタル遺産（オンライン口座、仮想通貨、サブスクリプションサービスなど）は、パスワードが分からずアクセスできない、あるいは後から見つかって遺産分割をやり直す必要が生じるなど、新たなトラブル要因となっています。
これらの問題は、ご自身の死後に親族関係を悪化させ、遺族に多大な精神的・経済的負担をかける原因となるため、生前からの対策が不可欠です。
争族を避けるための具体策
円満な相続を実現し、家族間の争いを避けるためには、生前からの周到な準備が重要です。
遺言書の作成
法的な強制力を持つ遺言書を作成することが、最も確実な対策です。
遺産の具体的な分配方法を明確に指定し、なぜそのように分けたいのかという理由（付言事項）も記すことで、他の相続人の理解を促し、不満を軽減できます。
また、遺言執行者を指定することで、ご自身の意思通りに手続きが円滑に進むようになります。公正証書遺言を選択すれば、法的な不備や紛失のリスクを大幅に低減できます。
財産の透明化と情報共有
ご自身の全ての財産（プラスの財産とマイナスの財産）を詳細に記載した財産目録を作成し、ご家族にその存在と保管場所を明確に伝えておくことが不可欠です。
デジタル遺産についても、リスト化し、アクセスに必要な情報を共有しておくことで、死後の混乱を防ぎます。
家族との対話の機会を設ける
普段は話しにくい相続や死後のことについて、ご家族と率直に話し合う場を設けることが重要です。
これにより、お互いの価値観や希望を共有し、理解を深めることで、将来の誤解や不信を防ぐことができます。
これらの具体策を複合的に講じることで、ご家族が円満に相続手続きを進められるよう、生前からしっかり準備しておくことが大切です。
終活で相続に関するよくある質問
終活で相続に関するよくある質問をご紹介。
葬儀社に相続の相談をしても問題ないの？
終活における相続に関する相談先として、葬儀社も有効な選択肢の一つです。
多くの葬儀社は、葬儀や埋葬に関する専門知識だけでなく、終活全般にわたる相談を受け付けています。
例えば、葬儀の形式、費用、お墓の種類、エンディングノートの書き方など、幅広い内容についてアドバイスを得ることが可能です。
葬儀社は、お客様が「何から手をつけて良いかわからない」と感じている場合に、終活の第一歩として気軽に相談できる窓口となり得ます。
相続に関する複雑な法律問題や税務については、葬儀社自体が直接対応するのではなく、提携している司法書士や税理士といった専門家への橋渡しをしてくれることがあります。
これにより、終活を総合的に進める中で、相続に関する専門的なサポートもスムーズに受けられる体制が整っている場合があります。
家族への負担を軽減し、自身の希望を叶えるための総合的な支援を期待できるでしょう。
葬儀を生前で決めておくことは大丈夫？
葬儀を生前に計画し、詳細を決めておくことは、終活の重要な要素であり、推奨される行動です。
これは、残された家族が故人の意思に沿った形で葬儀を執り行えるようにするだけでなく、彼らが悲しみの中で直面する精神的、時間的、経済的な負担を大幅に軽減することにつながります。
生前に葬儀に関する希望や準備を進めておくことは、ご自身の意思を明確にし、残された家族への思いやりを示す行動であり、安心して人生の終末を迎えるためにも非常に重要です。
記事全体のまとめ
終活は、単なる「人生の終わり」に向けた準備にとどまらず、ご自身の残りの人生をより豊かに、そして後悔なく過ごすための積極的な活動です。
同時に、ご自身が亡くなった後に残されるご家族が、戸惑いや負担、そして争いなく円滑に物事を進められるよう、環境を整える大切な機会でもあります。
終活は、「いつからでも」「ご自身のペースで」始めることができ、一度作成した内容も定期的に見直し、必要に応じて修正することが大切です。
一人で抱え込まず、ご家族との開かれた対話はもちろんのこと、弁護士、税理士、司法書士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家からの助言とサポートを積極的に受けることで、終活をより確実かつ安心感を持って進めることが可能になります。
終活は、ご自身の人生の集大成であると同時に、ご家族への「安心」というかけがえのない贈り物となるでしょう。
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