終活を考え始めると、子どもにお墓の管理を任せてよいのか不安を抱く方は少なくありません。
特に遠方に先祖代々のお墓がある場合や、後継ぎがいない場合は「将来無縁墓になるのでは」と心配になるものです。
こうした悩みを解決する方法のひとつが「永代供養」です。
寺院や霊園が契約に基づいて供養や管理を引き受けてくれるため、遺された家族に負担をかけずに安心を得られます。
永代供養は近年注目を集めていますが、費用や手続きの流れ、供養の種類などを理解しなければ自分に合った選択はできません。
この記事では、終活の中で永代供養を検討する方に向けて、サービス内容、費用相場、流れ、種類をわかりやすく解説します。
最後まで読むことで、永代供養の全体像を把握でき、自分や家族にとって納得のいく供養方法を選ぶ判断材料が得られます。


〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。
終活の永代供養のサービス内容
永代供養とは、ご遺族や墓地の承継者に代わって、霊園や寺院といった管理者が、永きにわたりご遺骨の管理や弔いを実施する仕組みのことを指します。
ただし、この場合の永代とは管理を行う主体が続く期間を意味し、永遠を意味するものではないため、注意が必要です。
供養の内容として具体的に行われることは、主に運営主体による定期的な法要の開催です。
これらの法要は、故人一人ひとりのためではなく、その施設に納められている全ての人々を対象とした合同供養として行われることが一般的です。
法要の頻度は、管理を行う寺院によって異なり、毎月や、春・秋のお彼岸、お盆、年始などに行われることがあります。
また、永代供養のプランには、お墓の掃除や維持管理にかかる手間を、後の世代が負わなくて済むという利点も含まれています。
なお、利用者の宗派を問わない霊園であっても、実際に執り行われる法要は、管理を行う寺院の宗派の儀式に則って行われることがほとんどです。
終活で永代供養の選び方と寺院・霊園選定のポイント
永代供養を選ぶにあたっては、残される家族の状況や、供養のスタイルに対する自身の希望を考慮して決定することが重要です。
検討すべき主要な要素には、予算、施設の場所と交通の便、自身の宗教観との一致度、そして施設の運営主体が信頼できるかどうかが挙げられます。
供養の将来に不安を残さないためにも、費用を抑えることや後継者の負担軽減といったメリットだけでなく、個別の供養にこだわるか否かなど、お墓に対する意識を明確にする必要があります。
また、資料やパンフレットで得た情報と、実際に現地で感じる雰囲気は異なる場合があるため、必ず見学に行き、納得した上で選ぶことが推奨されます。
- 立地とアクセスの利便性
- 寺院や霊園の信頼性の見極め方
- 契約内容の透明性を確認する方法
立地とアクセスの利便性
永代供養の施設を選ぶ際は、将来お参りに来る家族や親族の負担を軽減するため、立地や交通の便が良い場所を選ぶことが大切です。
特に、高齢になった際の移動手段を考慮し、公共交通機関の接続や、駐車場の有無を事前に確認しましょう。
最寄りの駅やバス停からの距離や、お墓までの道のりに急な坂道や階段がないかなど、参拝時の状況を想定して現地で確認することが肝要です。
アクセスが不便な場所を選んでしまうと、後の世代にとってお墓参りが重荷となってしまう可能性があるからです。
寺院や霊園の信頼性の見極め方
永代供養は長期にわたる供養を委託する契約であるため、運営主体の信頼性を慎重に見極める必要があります。
民間の施設を選ぶ場合は、運営母体の倒産などにより、将来的に管理が放棄されてしまうリスクも考慮しなければなりません。
また、長期間にわたり法要を担ってくれる宗教者が信頼できる人物であるかどうかも、重要な判断基準の一つとなります。
施設の日常的な管理状況も確認すべき点で、霊園の敷地内や休憩所、トイレなどが清潔に保たれているか、水道や電気といった設備が整っているかなど、管理体制が充実しているかをチェックしましょう。
契約内容の透明性を確認する方法
生前予約や契約を行う際には、支払いを行う前に契約書や利用規約の内容を細部にわたって確認することが極めて重要です。
特に確認すべき点は、遺骨が骨壺のまま個別に安置される期間が何年間に設定されているか、その期間が過ぎた後で合祀されるかどうかです。
費用面では、契約時に支払う金額の他に、年間管理料が発生するのか、また利用する人数によって費用がどのように変わるのかをシミュレーションする必要があります。
疑問点や不明な箇所がある場合は、担当者に見積もりの詳細を質問するなどして、必ず解消した上で契約を進めるようにしましょう。
終活の永代供養の費用相場と内訳
永代供養にかかる費用は、従来型の墓石を建てるお墓と比較して、一般的に安価に抑えられるという特徴があります。
永代供養全体の費用相場は、選択する供養方法によって幅があり、おおよそ5万円から150万円程度が目安となります。
この費用の違いは、主に遺骨が他の人と混ざって納められるか、あるいは一定期間個別のスペースに安置されるかという契約形態によって生じます。
費用を安く抑えたい場合は、最初から合祀されるプランを選ぶのが効果的です。
- 永代供養の一般的な費用相場
- 契約形態による費用の違い
- 墓じまいを伴う場合の費用
永代供養の一般的な費用相場
永代供養の費用は供養形式によって大きく異なります。
複数の遺骨を一つの大きな墓に一緒に埋葬する合祀墓(合葬墓)は、永代供養の中でも最も価格が低く設定されており、相場はおよそ3万円から10万円程度です。
樹木葬や納骨堂は、施設の設備や個別安置期間の有無により価格に幅があり、目安としては20万円から150万円程度が多いようです。
特に納骨堂の中では、位牌型が比較的安価な一方で、自動搬送型のような設備が充実したタイプは費用が高くなる傾向が見られます。
契約形態による費用の違い
永代供養の費用は、ご遺骨を個別で管理するか、合同で管理するかによって異なります。
最初から合祀される形式では、契約時に一度費用を支払うだけで、その後の年間管理料は発生しないため、費用負担が軽くなります。
対照的に、納骨堂や集合墓のように、骨壺のまま一定期間個別に安置する契約の場合、その期間中は年間管理料が必要になることが一般的です。
この年間管理料の目安は、通常5千円から3万円ほどですが、生前にこの費用を一括で支払うことで、後の世代の経済的な負担を取り除くことが可能です。
墓じまいを伴う場合の費用
先祖代々のお墓を永代供養に切り替える場合、現在のお墓を撤去する墓じまいの作業が不可欠となります。
墓じまいには、墓石の撤去費用、閉眼供養を行う際の僧侶へのお布施、そして新しい供養先との契約金など、まとまった資金が必要となります。
また、古いお墓から取り出したご遺骨を新しい納骨先で受け入れてもらうために、遺骨の洗浄や粉骨といった加工が必要になることもあり、その費用も考慮しなければなりません。
状況によっては、墓じまいから永代供養への移行にかかる費用総額が、新しいお墓を一から建てるのと同程度の高額になる可能性もあるため、計画的な準備が必要です。
終活の永代供養の流れと手続き
永代供養の準備を進める際は、まず、自分がどのような方法で供養されたいかを具体的に考えることから始めます。
次に、関心のある複数の施設に対して資料請求を行い、費用や提供されるサービスを比較します。
その上で、実際に現地を見学し、施設の雰囲気やアクセスを確認した後、納得できる施設と生前契約の手続きを行います
契約が完了したら、遺言やエンディングノートを利用して、契約内容や書類の保管場所を家族に確実に伝え、意思を明確に残すことが重要です。
- 契約から供養開始までの流れ
- 手続きに必要な書類と準備
- 注意すべきトラブル事例
- 個別供養が難しいケースの課題
契約から供養開始までの流れ
永代供養の生前契約は、関心のある施設の資料を取り寄せ、現地見学を通じて比較検討した後、申し込み書を提出して手続きを進めます。
契約が締結され、費用を支払った後、契約書などの重要書類を整理し、万が一の時に家族が見つけられる場所に保管します。
生前にお墓を準備した場合、仏教の慣習では墓石に魂を込める開眼供養を行うことがありますが、これはご自身の考え方や寺院の意向によって、お墓の完成時に行うか、納骨時に行うかを決定します。
生前契約の存在は、喪主を務めるであろう家族など、身近な人に必ず伝えておくことが、供養の確実な実行のために非常に重要です。
手続きに必要な書類と準備
永代供養の生前予約を行う際に必要となる一般的な書類には、申込書、戸籍謄本または住民票の写し、印鑑証明書、身分証明書、実印などがあります。
既存のお墓から遺骨を移す改葬を行う場合は、法的な手続きとして改葬許可証を取得しなければなりません。
改葬許可証の申請には、新しい供養先からの受け入れを証明する書類と、現在のお墓の管理者から発行される埋葬証明書などを、お墓がある自治体に提出する必要がありますので、新しい供養先の管理者に相談をしておきましょう。
注意すべきトラブル事例
永代供養を巡るトラブルは、主に残された親族間での価値観の相違によって引き起こされることが多いです。
本人が良かれと思って墓じまいや永代供養の契約を進めても、伝統的な供養を重んじる親族から反対されたり、故人の供養の場がなくなることに喪失感を覚えたりするケースがあります。
特に、生前契約の事実を家族に伝えていなかったために、遺言書などが発見されないまま、遺族が別の方法で納骨を進めてしまうという事態も発生しています。
一度合祀されてしまうと、後から遺骨を個別に取り出すことはできなくなるため、親族の理解を得ずに進めると、後々まで悔いが残ることになる可能性があります。
個別供養が難しいケースの課題
合祀型のお墓や散骨のように、個別の供養が困難な方法を選んだ場合、遺された家族が故人に手を合わせる対象がないと感じ、心理的な寂しさを覚えることが主な課題となります。
慣習として墓石を前に拝むことに慣れている人々にとって、集合墓のモニュメントや樹木を前にしても、従来のようにお参りをしたという感覚が薄くなることがあります。
また、遺骨が他の人々のものと混ざってしまったり、自然に還されたりすると、将来的に供養方法を変えたい、あるいは分骨したいといった希望が生じても、それに応えることができなくなるという問題もあります。
終活の永代供養のよくある質問
終活の永代供養に関するよくある質問をいくつかご紹介。
永代供養は何年続くのですか?
永代供養の「永代」とは、その供養施設を運営する主体が存続する限り続くという意味であり、時間的に永遠を意味するものではありません。
遺骨が個別のスペースで安置される期間は限定されており、一定の期間が経過すると、ほとんどの場合、他の人々の遺骨と一緒に合祀墓へ移されます。
一般的には、この個別安置の期間は三十三回忌までとする施設が多いですが、十七回忌や五十回忌を区切りとする場合もあり、施設によって年数は異なります。
一部の施設では、契約を更新することで、個別に安置される期間を延長できるプランを提供しているところもあります。
宗派が違っても利用できますか?
永代供養を提供する施設は、民営霊園や公営霊園を中心に、利用者の宗旨宗派を問わないところが多数存在します。
ただし、寺院が運営する永代供養墓や寺院墓地の場合、その寺院の檀家となることを条件としているケースや、特定の宗派に限定している場合もあるため、事前に確認が必要です。
なお、宗派を問わない施設であっても、管理者が行う合同の法要は、その施設を運営する寺院の宗派の様式に則って行われます。
将来の供養方法を変更できますか?
将来的に供養方法を変更し、遺骨を別の場所に移動させること(改葬)は、遺骨が個別に安置され、骨壺から取り出されていない状態であれば物理的に可能です。
しかし、永代供養で一般的な、一定期間後に他の遺骨と合祀される契約の場合、一度合祀が行われると、個人の遺骨を区別して取り出すことは不可能となり、供養方法の変更はできなくなります。
また、散骨を選択した場合は、遺骨を自然に還す葬送方法であるため、一度散布すると手元に戻すことができず、その後の供養方法を変更することはできません。
記事全体のまとめ
永代供養は、少子化や核家族化が進む現代社会において、自身が亡くなった後にお墓の管理や供養で家族に手間をかけさせたくないというニーズから、非常に注目されている供養の形です。
このサービスを利用することで、ご遺族の精神的・経済的な負担を軽減できる他、生前にお墓を準備することで自身の遺志を反映させることができます。
後の世代に後悔やトラブルを残さないためにも、契約内容は明確にし、特に遺骨が残らない供養方法を選択する際は、必ず残された家族の意見を聞き、合意の上で終活を進めることが肝要です。


〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。