年末年始が近づくと、仏壇にお供え餅を準備するべきか迷う方は少なくありません。
鏡餅で良いのか、いつまで供えるのか、間違えると失礼にならないか不安を感じがちです。
正しい意味と作法を知ることで、安心してご先祖様を迎える準備ができます。
本記事ではお供え餅を仏壇に供える基本から注意点まで分かりやすく解説します。


〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
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お供え餅を仏壇に供える意味とは
仏壇へのお供え物は、仏教における「五供(ごく)」という考え方が基本となっており、その中の一つである「飲食(おんじき)」にお餅は分類されます。
主食であるご飯(仏飯)が最上位とされますが、お餅はそれに次いで格式の高い、特別なお供え物として扱われています。
かつてお餅は、日常的には手に入らない「ハレの日」のご馳走であり、神聖な力が宿ると信じられていました。
そのため、自分たちがその貴重な食事を味わう前に、まずはご先祖様や仏様へ感謝を込めて差し上げるという心の表れが、この習慣の根底にあります。
お正月やお盆、法事といった節目にお餅を供えることは、故人やご先祖様と共にその時を過ごし、供養する心を目に見える形で表現するために供えます。
お供え餅を仏壇に供える正しい方法
お供え餅を仏壇に供える正しい方法についてご紹介していきます。
置き方について
お餅を供える際は、仏壇に直接置くのではなく、礼を尽くすために専用の仏具を用いるのが作法です。
最も一般的なのは「高月(たかつき)」と呼ばれる脚付きの器を使用する方法です。
器には半紙などの敷き紙を敷き、その上にお餅を乗せます。
半紙の折り方は、慶事(お祝い)では右前、弔事(不祝儀)では左前とするなど、状況に応じて使い分けるのが正式ですが、あまり神経質になりすぎず、角が手前に来るように敷くのが一般的です。
配置場所としては、ご本尊を隠さないよう配慮し、仏具の配置バランスを見ながら供えます。
個数と大きさについて
お供えするお餅の数やサイズに、仏教全体で統一された厳格なルールはありません。
仏壇のスペースや使用する仏具の大きさに合わせ、無理なく収まるサイズや個数を選ぶことが重要です。
一般的には、数個から十数個程度を用意するケースが見られますが、忌み数と言われている4や9は避けて、ご家庭の事情に合わせて調整して構いません。
形状に関しては、仏教において「円満」を象徴する丸いお餅が好まれます。
色は白が基本とされますが、お祝い事や新しい仏壇を迎えた際などには、紅白のお餅を用いる地域もあります。
お供え餅を仏壇にはいつ頃に供えるべき?
仏壇に供えるタイミングとしては、特に12月28日をおすすめします。
供え始めるタイミング
お正月に向けてお供えする場合、準備を始めるのは「正月事始め」とされる12月13日以降ならいつでも良いとされていますが、現代ではクリスマス後から年末にかけて飾るのが一般的です。
特に推奨されるのは12月28日、「八」という数字が末広がりで縁起が良いとされるためです。
一方で、避けるべき日程として、「苦」に通じる12月29日や、葬儀と同じ「一夜飾り」となってしまう12月31日は、神様や仏様に対して失礼にあたるとされ、この日の飾り付けは控える風習があります。
仏壇から下げる時期
お供えしたお餅を下げるタイミングは、行事の内容によって異なります。
お正月の場合は、年神様をお送りする「松の内」が明けた後、1月11日(地域によっては1月15日や20日)に行われる「鏡開き」の日に下げるのが通例です。
法事やお盆などで供えた場合は、行事が終わった後や、お参りが済んだタイミングで下げます。
特に夏場などはカビやすいため、衛生面を考慮し、傷む前に早めに下げていただくことが大切です。
お供え餅を仏壇に供える時に気を付けておくべきこと
お供え物を仏壇に供える際に気を付けておくべき注意点もありますのでご紹介していきます。
避けたい行為
喪中の期間中にお正月を迎える場合、派手な装飾は避けるべきとされています。
本来、鏡餅は神道の神様である「年神様」をお迎えする祝いの飾りであるため、喪中には飾るのを控える、あるいは飾りを最小限にしたシンプルなお供え餅にするなどの配慮が必要です。
また、生の餅をそのまま供える場合は、カビやひび割れに注意が必要です。
長期間放置して食べられない状態にしてしまうことは、供養の品を無駄にすることになりかねないため避けましょう。
カビや傷み対策
お餅は環境によってすぐにカビが生えてしまいます。
これを防ぐための現代的な工夫として、個包装されたお餅や、真空パックの商品を利用するのが賢明です。
見た目は鏡餅やお供え餅の形をしていても、中身が個包装の切り餅になっているプラスチック製の容器入りタイプであれば、衛生的で見栄えも良く、カビの心配もありません。
生のお餅を使用する場合は、空気に触れないようラップで包むか、冷暗所で保管し、お供えする時間を短くするなどの対策が有効です。
お供え餅を仏壇に供える際によくある質問
お供え餅を仏壇に供える際のよくある質問をいくつかご紹介していきます。
鏡餅でも問題ないか
宗派によっては注意が必要です。
ご先祖様や仏様にも「一緒にお正月を祝っていただく」という意味を込めて、小さめの鏡餅を仏壇に飾る家庭は多くあります。
ただし、神棚と仏壇の両方がある場合は、神棚には鏡餅、仏壇にはシンプルなお供え餅(または小さな鏡餅)というように使い分けるのも一つの方法です。
供えた後は食べてもよいか
お供えしたお餅は、下げた後に食べるのが供養のマナーです。
これを「お下がり」と呼び、仏様や神様の力が宿ったものを体内に取り入れることで、その加護や力を分けていただくと考えられています。
お雑煮やお汁粉などに調理し、家族で分け合って残さず食べ切ることが、感謝を表す行為となります。
宗派の違いはあるか
お供えの方法や道具には、宗派による特徴があります。特に浄土真宗では、「供笥(くげ)」と呼ばれる独特の形をした台を使用します。
この供笥は、本願寺派(お西)では六角形、大谷派(お東)では八角形のものを用いるのが伝統です。
また、お餅の形や積み方、法要時の「傘餅」の有無なども地域や宗派によって異なるため、迷った際は菩提寺や地域の年長者に確認することをおすすめします。
記事全体のまとめ
お供え餅は、仏様やご先祖様へ感謝の気持ちを伝えるための、位の高いお供え物です。
お正月や法事などの特別な時期に、高月や供笥といった専用の仏具を用いて丁寧に供えるのが基本作法です。
飾る時期としては、年末の12月28日を目安に準備し、鏡開きや行事終了後に下げて「お下がり」としていただくことで供養が完結します。
喪中の対応や宗派による道具の違いなど、細かいマナーはありますが、最も大切なのは形式にとらわれすぎず、故人を想う心を込めてお供えすることです。


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