親族が亡くなった後、避けて通れないのが「遺品整理」と「相続」の問題です。
遺品を片付けていく中で、思いがけず家族間のトラブルに発展してしまうケースは珍しくありません。
とくに、価値のある品物や不動産、金銭に関わる話になると、それぞれの思いや考え方がぶつかり、関係が悪化してしまうことも。
この記事では、遺品整理にまつわる相続トラブルの事例と原因を解説し、その上で6つの具体的な解決策をご紹介します。
家族間の不和を防ぎ、円満な相続を進めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。


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遺品整理と相続トラブルの代表的な事例とは?
遺品整理の現場では、感情的な衝突だけでなく、法的な問題に発展するケースもあります。
ここでは以下の代表的3つのトラブル事例をご紹介します。
- 高価な遺品をめぐる兄妹間の対立
- 不動産の分割をめぐる意見の食い違い
- 故人の意向が不明確な場合の混乱
高価な遺品をめぐる兄妹間の対立
たとえば、故人が長年収集していた骨董品や貴金属、時計などが見つかったとき、それらの金銭的価値を巡って兄妹で揉めるケースがあります。
長女が「父が私に譲ると言っていた」と主張しても、長男は「そんな話は聞いていない」と反論。
口論が激しくなり、感情的なしこりが残る結果となることも少なくありません。
形見分けの範囲を超えて、「これは財産か、それとも遺品か」という認識のズレが、トラブルの火種になるのです。
不動産の分割をめぐる意見の食い違い
特に大きな問題となりやすいのが実家などの不動産相続です。
一人が住み続けたいと希望する一方で、他の相続人は売却を望む、あるいは平等な財産分与を求めるというケースがよくあります。
不動産は分けることが難しいため、「誰が住むか」「誰が管理するか」「売却するかどうか」といった点で意見が対立しやすく、話し合いが長引く傾向があります。
故人の意向が不明確な場合の混乱
故人が「どの遺品を誰に譲るか」や、「相続に対する希望」を明確にしていなかった場合、残された家族は手探りで判断せざるを得ません。
このとき、「これは自分がもらうべき」「いや、それはお母さんが私にと言っていた」
といった感情的な争いに発展することがあります。
また、故人の言葉や態度を巡る言った・言わないの水掛け論もトラブルを加速させます。
遺品整理と相続トラブルを防ぐための具体的な6つの対策
前の章で紹介したように、遺品整理と相続トラブルは突然起こるものではなく、多くが準備不足や価値観の違い、感情のすれ違いから発生します。
それでは、こうしたトラブルを避けるためには、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。
ここでは、実践的かつ効果的な以下の6つの解決策を順に解説します。
- 遺品整理は相続人全員で協力して進める
- 形見分けのルールを事前に決めておく
- 専門家に相談して第三者を介入させる
- 遺言書を準備しておく
- 財産目録を作成しておく
- 日頃から家族とコミュニケーションを取る
遺品整理は相続人全員で協力して進める
遺品整理はできる限り、相続人全員が立ち会うか、合意のうえで行うことが望ましいです。
一部の人だけで勝手に進めてしまうと、「大事なものが勝手に処分された」「金目の物だけ取られた」などの不信感を生みます。
特に、家財の中に貴金属や通帳、印鑑などが混ざっている可能性があるため、整理作業の過程をオープンにし、記録を取りながら進めるとよいでしょう。
形見分けのルールを事前に決めておく
「これは誰がもらう?」「あれはどうする?」とその場で決めようとすると、感情的な争いに発展しやすくなります。
そのため、形見分けを行う前に、あらかじめ配分のルールを決めておくことが有効です。
例えば、希望者が複数いればくじ引きで決める、高額なものは評価額を均等に分配する、感情的なつながりを重視して譲り合う
など、公平性と納得感を意識したルール作りがトラブル回避の鍵です。
専門家に相談して第三者を介入させる
相続や遺品整理に関するトラブルが避けられそうにない場合は、専門家の介入が最も効果的です。
具体的には、以下のような専門家に相談することをおすすめします。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 遺品整理業者
- ファイナンシャルプランナー
第三者が入ることで感情的なやり取りを抑え、法的根拠や税務面の適切な処理を進めることが可能になります。
遺言書を準備しておく
故人が生前に有効な遺言書を残しておくことは、相続トラブル防止において最も効果の高い対策です。
特に、以下の内容を具体的に明記することで、相続人間の誤解や争いを未然に防げます。
- 誰に何を相続させるか
- どのように形見分けしてほしいか
- 特定の人に多く遺したい理由
法的に有効な遺言書とするには、公正証書遺言として残すのが確実です。
公証人立ち会いのもとで作成されるため、改ざんや無効になるリスクがほとんどありません。
財産目録を作成しておく
遺言書とあわせて、財産目録(ざっくりとした資産一覧)を準備しておくと、相続人がスムーズに手続きを進めることができます。
特に、以下の情報が整理されていると、財産の全体像が明確になり、不公平感を生じにくくなるのです。
- 預金口座
- 不動産
- 株式などの金融商品
- 借金・ローン
また、目録に遺品の内容や価値を簡単に記載しておくことも、形見分け時の参考になります。
日頃から家族とコミュニケーションを取る
遺品整理や相続の問題は、最終的には家族間の信頼関係があってこそ、円満に解決できるものです。
そのため、親が元気なうちから、
- 財産や遺品についてどうしたいか
- 誰に何を譲りたいか
- どんな気持ちを大事にしてほしいか
といった話を、日常の中で少しずつ共有しておくことが大切です。
急にすべてを話す必要はありませんが、「うちは揉めないから大丈夫」と思わず、小さな会話の積み重ねが大きなトラブルを防ぐ土台になります。
遺品整理と相続トラブルが発生する3つの主な原因
上記のような事例の背景には、いくつかの共通する原因があります。
ここでは特に多い事前の話し合い不足・遺言書が存在しない、または曖昧・感情的な価値観の違いの3パターンについて詳しく解説します。
- 事前の話し合い不足
- 遺言書が存在しない、または曖昧
- 感情的な価値観の違い
事前の話し合い不足
多くの家庭では、親が元気なうちは「相続の話をすると縁起が悪い」と避けてしまいがちです。
その結果、いざ亡くなった後に、誰がどの遺品を受け取るのか、どのように財産を分けるのか、実家はどうするのかといった重要なことを何も決めないまま遺品整理が始まってしまいます。
「うちに限って揉めることなんてない」と思っていた家庭ほど、実際に話し合いがこじれたときに修復が難しくなる傾向があります。
遺言書が存在しない、または曖昧
相続トラブルを防ぐ上で重要な鍵を握るのが遺言書の有無と内容の明確さです。
遺言書がまったく残されていない場合は、法定相続分に従って遺産を分けることになります。
しかしその中で、「父が生前、私に全部くれると言っていた」「介護を担っていたのだから多めに受け取る権利がある」といった感情的な主張が出やすくなります。
また、仮に遺言書があっても、内容が曖昧だったり法的に不備があると、無効と判断されるリスクもあり、結局話し合いで揉めることになります。
感情的な価値観の違い
遺品には、金銭的な価値以上に感情的な価値が伴うことが多くあります。
たとえば、「母が毎日使っていた茶碗をどうしても手元に置きたい」「アルバムは全員で共有すべきだ」といった思いが、それぞれの立場から湧き上がります。
しかし、価値観や優先順位は人それぞれ。ときには「そんなものいらない」「なんでそれが大事なの?」と否定されることも。
これがきっかけで感情的な衝突が生まれ、相続の場が険悪なものになってしまいます。
遺品整理で起きやすい相続トラブルのよくある質問
親の遺品を勝手に処分したラ法的な問題になるのか、遺言書がない場合はどうやって遺品を分ければよいのかなどのよくある質問と回答をご紹介。
親の遺品を勝手に処分したら法的な問題になる?
法定相続人の合意がないまま遺品を処分した場合、「器物損壊罪」と見なされる可能性があります。
価値のある物や財産に関わる品については、全員の合意を取ってから対応するのが原則です。
遺言書がない場合、どうやって遺品を分ければよい?
遺言書がない場合は、遺品に関しては法律上の取り決めが明確でないため、相続人同士での話し合いによって決まります。
そのため、トラブルが予想される場合は、早めに専門家に相談しましょう。
記事全体のまとめ
遺品整理と相続は、家族にとってとても重要でありながら、感情と法的な問題が複雑に絡むデリケートなテーマです。
とくに、遺品に金銭的価値があったり、不動産が含まれていたりする場合、相続人同士の考え方の違いや、故人の意向の曖昧さが原因でトラブルに発展しがちです。
大切なのは、「自分の家庭は大丈夫」と思わず、事前にできる対策を一つひとつ積み重ねていくことです。
遺言書の作成、財産目録の準備、日頃からの家族間のコミュニケーションなど、できることはたくさんあります。
「遺品整理」や「相続」が家族の絆を壊すきっかけではなく、むしろ家族の想いを大切にする時間になるように方向転換できるように専門家に依頼することをおすすめします。


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