近年、少子化や核家族化が進む中、従来の「お墓に埋葬する」という形式に代わり、自然に還る方法として「散骨」や「樹木葬」が注目を集めています。
従来のお墓の維持や管理に不安を感じている方、子どもに面倒をかけたくないと考えている方にとって、これらの選択肢は非常に魅力的です。
しかし一方で、「散骨と樹木葬はどう違うの?」「費用はどのくらい?」「法律的に問題はないの?」「後悔しない選び方は?」といった疑問や不安を抱える方も少なくありません。
この記事では、「散骨」と「樹木葬」の基本的な仕組みから、費用・手続き・メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
また、それぞれの供養方法が向いている人・向いていない人、選ぶ際の注意点についても具体的にご紹介します。
記事を読み終えるころには、自分や家族にとって最適な供養の形が明確になり、「後悔のない終活」を始める自信が持てるようになるはずです。


〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。
散骨と樹木葬の違いとは?
近年、故人を自然に還すという考え方から、散骨と樹木葬が注目されています。
散骨と樹木葬は共通して自然葬の一種ですが、その概要に大きな違いがあります。
散骨の基本概要
散骨とは、火葬後の遺骨を粉末状にして、海、山、空などの自然の中に撒く供養方法です。
一般的なお墓を持たないため、故人が「海が好きだった」「山に還りたい」といった願いを尊重し、自然と一体化できる点が特徴とされています。
遺骨は回収できないため、特定の場所でお墓参りをするという概念はありません。
樹木葬の基本概要
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する供養方法です。
遺骨は特定の場所に埋葬されるため、お墓参りが可能です。
樹木葬にはいくつかの種類があり、埋葬方法によって「合祀型」「集合型」「個別型」に分けられ、環境によって「里山型」「公園型(庭園型)」などに分類されます。
多くの場合、永代供養が可能なため、承継者の心配が不要という利点があります。
散骨と樹木葬の費用比較
自然葬は、従来の墓石を建てるお墓と比較して費用を抑えられる傾向があります。
散骨にかかる主な費用
散骨の費用は、実施方法や業者によって異なりますが、一般的に5万円から30万円程度が相場とされています。
- 委託散骨:5万円~10万円程度
- 合同散骨:10万円~20万円程度
- 単独散骨・貸切乗船散骨:20万円~30万円程度
樹木葬にかかる主な費用
樹木葬の費用は、選択する埋葬方法や場所によって大きく異なり、一般的に5万円から150万円程度の幅があります。
- 合祀型:5万円~20万円
- 集合型:10万円~60万円
- 個別型:20万円~150万円
樹木葬の種類や各埋葬方法による違いについては下記記事をご覧ください。
内訳
樹木葬の費用には、土地使用料、シンボルツリー代、銘板の彫刻料、埋葬料、維持管理費などが含まれます。
年間管理費は年間数千円から2万円程度かかる場合もあります。
費用を抑えるポイント
費用面だけを比較すると、散骨、特に委託散骨は樹木葬よりも安価に済む傾向があります。
樹木葬の場合は、合祀型が最も費用を抑えられる選択肢です。
全体として、樹木葬も散骨も、墓石を建てる一般的なお墓(100万円~350万円)に比べると費用負担が大幅に軽減されます。
散骨と樹木葬のメリット・デメリット
故人を自然に還すという共通の目的を持つ一方で、それぞれ異なるメリットとデメリットが存在します。
樹木葬のメリット・デメリット
樹木葬のメリット・デメリットをご紹介。
メリット
樹木葬のメリットとして、自然との一体化、費用面、後継者問題の解消、宗教や宗派の柔軟性、明るい雰囲気の供養があります。
- 自然との一体化
- 費用面
- 後継者問題の解消
- 宗教・宗派の柔軟性
- 明るい供養の雰囲気
自然との一体化
亡くなった方が大地の一部となり、自然の循環の中へ帰ることを可能にします。
供養の拠りどころの提供: 樹木や植物が故人を偲ぶ対象となるため、手を合わせる明確な場所が存在し、遺族が訪れて故人を思い出すことができます。
費用面
伝統的な墓石を建立する場合に比べて、大幅に出費を抑えることが可能です。
後継者問題の解消
多くの樹木葬は「永代供養」を前提としており、霊園や寺院が管理と供養を担うため、子孫に墓守の負担をかける心配がありません。
宗教・宗派の柔軟性
特定の宗教や宗派に縛られることなく供養ができる場合が多く、多様な信仰を持つ方々に受け入れられやすいです。
明るい供養の雰囲気
一般的な墓地よりも、花や緑に囲まれた明るく穏やかな環境で故人を偲ぶことができる傾向があります。
デメリット
樹木葬のデメリットとしては、遺骨の再移動の困難さ、親族間の意見不一致、交通アクセスと立地の不便さ、墓参様式の制約、管理費の発生の可能性があります。
- 遺骨の再移動の困難さ
- 親族間の意見不一致
- 交通アクセスと立地の不便さ
- 墓参様式の制約
- 管理費の発生の可能性
遺骨の再移動の困難さ
一度埋葬してしまうと、特に遺骨を土に還す合祀型の場合、後から遺骨を取り出すことが非常に難しくなります。
親族間の意見不一致
比較的新しい供養の形であるため、従来の墓石に慣れ親しんだ親族や年配の方々から、理解や同意を得にくい場合があります。
交通アクセスと立地の不便さ
自然環境を重視する里山型などは、都市部から離れていたり、公共交通機関でのアクセスが不便な場所にあることが多く、お参りが困難になる可能性もあります。
墓参様式の制約
火災や景観保護の観点から、線香やロウソクの使用、供え物の持参が制限されることがあり、一般的な墓参りの作法が適用できない場合があります。
管理費の発生の可能性
永代供養であっても、年間管理費が別途必要となるケースも存在し、事前の確認を怠ると予期せぬ費用が発生することがあります。
散骨のメリット・デメリット
散骨は、火葬後の遺骨を粉末状にし、海や山、空などの自然に撒く供養方法で、物理的な墓標は存在しません。法的には明確な規制はありませんが、節度ある実施が求められます。
散骨のメリット
散骨のメリットは究極の自然回帰、最大限の経済性、後世への負担ゼロ、供養場所の選択の自由度があります。
- 究極の自然回帰
- 最大限の経済性
- 後世への負担ゼロ
- 供養場所の選択の自由度
究極の自然回帰
故人の遺骨が特定の場所にとどまることなく、自然界に完全に溶け込むことを実現します。
最大限の経済性
墓地の購入費用や維持管理費が一切発生しないため、他の供養方法と比較して最も費用を抑えることが可能です。
後世への負担ゼロ
物理的な墓が存在しないため、子孫が墓の管理や維持に関する手間や経済的負担を負うことは一切ありません。
供養場所の選択の自由度
故人の生前の希望や思い入れのある場所(海、山、空など)で散骨を行うことができ、非常に柔軟な供養が実現します。
散骨のデメリット
散骨のデメリットは遺骨の不可逆性、物理的な供養場所の欠如、親族間の感情的な問題、遺族の喪失感があります。
- 遺骨の不可逆性
- 物理的な供養場所の欠如
- 親族間の感情的な問題
- 遺族の喪失感
遺骨の不可逆性
一度遺骨を散骨すると、物理的に回収することが不可能となり、手元に故人の遺骨を残すことができなくなります。
物理的な供養場所の欠如
墓標がないため、一般的な墓参りのように特定の場所で故人を偲んだり、手を合わせたりする物理的な拠りどころが存在しません。
親族間の感情的な問題
従来の埋葬方法とは大きく異なるため、家族や親族が散骨に対して抵抗を感じたり、理解を得られずに感情的な軋轢が生じたりする場合があります。
遺族の喪失感
遺骨が手元に残らないことや特定の墓標がないことから、遺族が故人との物理的なつながりを感じにくくなり、寂しさや心の拠り所を失う感覚を覚えることがあります。
これらの特性を理解し、故人の意思を尊重しつつ、遺族の感情や将来の負担も考慮して、最も適切な供養方法を選択することが重要です
後悔しないための判断基準
後悔しない供養方法を選ぶためには、故人の意思を尊重しつつ、遺族の気持ちや将来の状況も考慮することが重要です。
お墓参りの重要性
故人を偲ぶ場所が必要かどうか。
遺骨の回収可否
将来的に遺骨を移動させる可能性があるか。
費用と承継者の問題
費用面や将来的な負担をどれだけ軽減したいか。
散骨と樹木葬の選び方
どちらを選ぶかは、個人の価値観や故人の希望、そして残された家族の状況によって大きく異なります。
ライフスタイルに合う供養方法とは
散骨と樹木葬の選び方の指標として、ライフスタイルに合う供養方法から選ぶことも有効な手です。
完全な自然回帰を望む場合
特定の場所にこだわらず、故人の遺骨を完全に自然に還したいと考えるのであれば、散骨が適しています。
お墓参りの場所を確保したい場合
自然の中で眠りたいが、遺族がお参りできる場所を残したいと考えるのであれば、樹木葬がおすすめです。
承継者の有無
後継者がいない、または子孫に負担をかけたくない場合は、どちらの自然葬も有力な選択肢となります。特に樹木葬の多くは永代供養に対応しています。
費用面の優先順位
費用を最優先するなら散骨、特に委託散骨が安価ですが、樹木葬の合祀型も比較的低コストです。
家族への説明と同意の重要性
散骨も樹木葬も、従来の供養方法とは異なるため、家族や親族の理解と同意を得ることが非常に重要です。話し合いをせずに進めると、後々トラブルに発展する可能性があります。
故人の希望を伝えつつ、残された家族がどのように故人を偲んでいきたいかを一緒に考えることが大切です。
もし反対がある場合は、遺骨の一部を手元に残す「分骨」を検討するのも良いでしょう。
宗教や地域文化との関係
散骨は基本的に宗教や宗派を問いませんが、樹木葬も多くの場合で宗教・宗派不問とされています。
ただし、寺院が運営する樹木葬の場合は、その寺院の宗教や宗派への入檀が求められたり、供養方法がその宗派に沿った形になったりすることがあるため、事前に確認が必要です。
また、散骨を行う場所によっては、特定の自治体による条例で制限されている場合や、地域の住民感情、漁業や観光業への配慮が必要となることもあります。
散骨と樹木葬に関するよくある質問
散骨と樹木葬に関するよくある質問をご紹介。
散骨はどこでもできるの?
散骨はどこでも自由にできるわけではありません。
また、海水浴場や漁業・養殖場、水源地、私有地、公共の場所など、周囲の環境や住民に配慮し、トラブルを避けるために散骨を避けるべき場所があります。
一部の自治体では条例で散骨が禁止されている地域も存在します。個人で行うのは難しいため、専門業者に依頼するのが安心です。
樹木葬に永代供養はある?
はい、樹木葬のほとんどは永代供養に対応しています。
永代供養とは、遺族に代わって霊園や寺院が遺骨の管理や供養を行ってくれるシステムです。
そのため、お墓の承継者がいない方や、子孫に管理の負担をかけたくない方に選ばれています。
ただし、永代供養であっても年間管理費が発生する場合があるため、契約前に確認が必要です。
家族が反対した場合どうすればいい?
散骨や樹木葬は比較的新しい供養方法のため、家族や親族から反対されることは珍しくありません。
このような場合は、時間をかけて丁寧に話し合い、理解を得ることが最も重要です。
メリットを説明する
費用負担の軽減、承継の不要さ、故人の生前の希望などを具体的に伝えます。
妥協案を提示する
遺骨の一部を散骨し、残りを手元供養として自宅に置く、または従来の墓地や納
骨堂に納める「分骨」を提案することも有効な手段です。
専門家の意見を参考にする
葬儀社や専門業者に相談し、第三者の視点から説明してもらうことも検討しましょう。
記事全体のまとめ
樹木葬と散骨は、故人の遺骨を自然に還すことを目的とした「自然葬」の選択肢として、近年注目を集めています。
最終的な選択は、故人の意思、遺族の希望、予算、そしてお墓参りへの価値観などを総合的に考慮して決めることが大切です。
不明な点があれば、ぜひ感謝のお葬式にご相談ください。


〒157-0066
東京都世田谷区成城2-15-6 イル・レガーロ成城1F
(成城学園前駅 徒歩4分)
営業時間
10:00~17:00 土日祝も営業
(事前予約いただければ上記時間外も対応いたします。)
※来店予約は必須ではありません。お気軽にお立ち寄りください。
お電話・ご希望の場所(施設・ご自宅など)への訪問でのご相談もお受けしております。