突然の訃報で葬儀に参列することになり、「このカバンで失礼にならないだろうか」と不安に感じる方は少なくありません。
黒であれば問題ないと思っていても、素材や形、装飾によってはマナー違反と受け取られることがあります。
葬儀用のカバンには、男女や立場に応じた基本的なルールがあります。
事前にポイントを押さえておくことで、当日慌てることなく落ち着いて参列できます。
この記事では、葬儀にふさわしいカバンの選び方を中心に、避けるべきNG例や男女別の注意点、急な場合の対処法まで分かりやすく解説します。
▼この記事でわかる内容
- 葬儀のカバンの基本マナー
- 葬儀のカバンで避けるべきNG例
- 葬儀のカバンを女性が選ぶ際の注意点
- 葬儀のカバンを男性が選ぶ際の注意点
葬儀のカバンの基本マナーを知る
葬儀の場にふさわしい鞄を選ぶ際は、「色味」「質感」「形状」の3点において、故人を悼む場に相応しい控えめなスタイルを徹底することが重要です。
ここでは、参列時に失礼にあたらないための基本的なルールを解説します。
黒であれば問題ないのか
葬儀における鞄の色は、漆黒が原則とされていますが、単に色が黒ければ良いというわけではありません。最も重要なのは「光を反射しないこと」です。
黒色であっても、エナメル素材やサテン生地のように光沢が強いものは、華やかな印象を与えてしまうため避ける必要があります。
また、金具部分も目立たないように加工された黒色や、光沢を抑えたものが推奨されます。
急な通夜などでは、濃紺やダークグレーなどの地味な色味が許容されるケースもありますが、基本的には深い黒色で統一するのが最も無難で確実な選択です。
適した素材と形
素材に関しては、光沢のない布製が最も格式高いとされています。
かつては「殺生」を連想させるとして革製品は敬遠されていましたが、近年では艶消し加工が施されたシンプルな本革や合成皮革であれば、マナー違反とはみなされない傾向にあります。
ただし、一目で動物の皮とわかるような型押しや、毛皮素材は厳禁です。
形状については、床や膝上に置いた際に安定する自立型のハンドバッグタイプが好まれます。
カジュアルな印象を与えるリュックサックやショルダーバッグは避け、小ぶりで整った形のものを選びましょう。
葬儀のカバンで避けるべきNG例
葬儀の場では、悲しみの席にそぐわない「派手さ」や「殺生」を連想させる要素を徹底して排除する必要があります。
ここでは、具体的にどのような特徴を持つ鞄がマナー違反となるのか、避けるべきポイントを要約します。
光沢や装飾が多い場合
お祝いの席を連想させるようなきらびやかな要素は、葬儀の場では不適切です。
具体的には、光を強く反射するエナメル素材や、スパンコール、ビーズなどの装飾が施された鞄は避けるべきです。
また、バッグの留め具やチェーンなどの金具が金色や銀色で目立つものも、アクセサリーと同様にマナー違反とみなされることがあります。
金具がついている場合は、マットな黒色やシルバーで控えめなデザインのものを選び、光り輝くものは避けるように心がけましょう。
ブランドロゴが目立つ場合
たとえ色が黒で素材が適切であっても、ブランドのロゴマークが大きく主張している鞄は葬儀には向きません。
ブランド名が刻印された金属プレートが正面に付いているものや、生地全体にブランド特有のモノグラム柄が入っているデザインは、ファッション性が高く、厳粛な場での慎み深さに欠けると判断されます。
どうしてもブランド品を使用する場合は、ロゴが小さく目立たないものや、内側に隠れるデザインのものを選ぶ配慮が必要です。
葬儀のカバンを女性が選ぶ際の注意点
女性が参列する場合、貴重品や化粧ポーチなど携行品が多くなりがちですが、フォーマルな装いを崩さないためには鞄のサイズ選びとサブバッグの活用が鍵となります。
ここでは女性特有のバッグ選びのポイントをまとめます。
適したサイズ感
女性用のフォーマルバッグは、小ぶりであるほど上品で格式が高いとされています。具体的には、袱紗(ふくさ)、数珠、ハンカチ、スマートフォン、ミニ財布といった必要最低限のアイテムが収まる程度のハンドバッグが理想的です。
大きなトートバッグなどはカジュアルに見えてしまうため、メインの鞄としては避けたほうが良いでしょう。
座った際に膝の上に置いても邪魔にならず、背もたれとの間に置けるサイズ感を目安に選んでください。
サブバッグの使い分け
小ぶりなフォーマルバッグに入りきらない荷物がある場合は、無理に詰め込まずにサブバッグを併用するのがスマートです。
特に、折り畳み傘や防寒具、お手伝い用のエプロンなどを持参する際は、黒色の無地でA4サイズ程度のトート型サブバッグが役立ちます。
素材はメインバッグと同様に光沢のない布製を選び、紙袋やビニール袋などで代用するのは避けましょう。
会場内ではクロークに預けるか、足元に置いて目立たないようにするのがマナーです。
葬儀のカバンを男性が選ぶ際の注意点
男性の場合、基本的に「手ぶら」での参列が一般的とされていますが、荷物がある場合の対応には注意が必要です。
ビジネス用と葬儀用の使い分けや、許容されるバッグの種類について解説します。
ビジネスバッグでもよいか
仕事帰りに通夜へ直行する場合などを除き、大きなビジネスバッグを葬儀会場に持ち込むのは避けるのが基本です。
特にナイロン製のブリーフケースやリュックサックはカジュアルすぎるため不向きです。
どうしても仕事の荷物を持っている場合は、駅のコインロッカーを利用するか、会場のクロークや受付で預かってもらい、式場内には持ち込まないように配慮しましょう。
会場内では、焼香の際などに邪魔にならないよう身軽な状態でいることが望ましいです。
葬儀カバンとして使えるセカンドバッグ
男性がどうしても荷物を携帯する必要がある場合は、黒色で無地のクラッチバッグ(セカンドバッグ)を使用するのが適切です。
スーツのポケットが財布やスマートフォンで膨らんでしまうとシルエットが崩れてしまうため、それらを収納するために小ぶりな鞄を持つことはマナー違反ではありません。
選ぶ際は、光沢のないマットな質感のものにし、クロコダイルの型押しなど動物性の模様が入ったものは避けてください。
片手で抱えられるサイズ感が、フォーマルな装いとして許容される範囲です。
葬儀カバンが手元にない場合の対処法
急な訃報により、正式なフォーマルバッグを用意する時間がない場合の緊急的な対応策についてまとめます。
購入場所や、一時的な代用品として許容される範囲を知っておくと安心です。
急ぎで用意する方法
葬儀用の鞄をすぐに準備したい場合、紳士服量販店や百貨店のフォーマルコーナー、ショッピングモールなどで購入可能です。
また、近年では喪服のレンタルサービスとセットで、鞄や靴などの小物一式を借りられる場合もあります。
ネット通販でも「即日発送」に対応している店舗があるため、時間の猶予によっては利用可能です。
どうしても時間がない場合は、コンビニエンスストアで簡易的なものが販売されていることもあるため、確認してみると良いでしょう。
代用品は許されるか
通夜などの急な場面であれば、正式なフォーマルバッグでなくとも、黒色で無地、光沢の少ないシンプルな鞄であれば代用が可能とされることがあります。
例えば、通勤用の鞄でも金具が目立たず、マットな質感であれば許容されるケースもあります。
ただし、派手な装飾があるものやカジュアルすぎる布バッグは避け、できるだけ地味なものを選びましょう。
あくまで一時的な処置とし、告別式までには正式なものを準備するか、手持ちがない場合はできるだけ荷物を減らして参列する工夫が必要です。
葬儀カバンに関するよくある質問
素材選びの迷いや、年齢によるマナーの違いなど、葬儀用バッグに関して頻繁に寄せられる疑問について解説します。
布製と革製どちらがよい
伝統的なマナーとしては、殺生を連想させない「布製」が最も正式で無難な選択とされています。
しかし、現代では耐久性や実用性の観点から、光沢を抑えたスムースレザーなどの「革製」も広く受け入れられるようになっています。
特に撥水性や長く使うことを考慮して革を選ぶ人も増えていますが、地域や宗派によっては厳格に布製を求められる場合もあるため、迷った際は布製を選ぶのが確実です。
年齢で選び方が変わるか
基本的には、大人であれば年齢に関わらず「黒・無地・光沢なし」というマナーは共通です。
ただし、学生(子供)の場合は例外として、学校指定の制服に合わせる通学用鞄での参列が認められています。
通学鞄が派手な色や柄の場合は、手ぶらにするか、黒や紺のシンプルな手提げ袋などで代用すると良いでしょう。
大人の場合は、年齢を重ねるにつれて親族側として参列する機会も増えるため、一つしっかりとしたフォーマルバッグを持っておくことが推奨されます。
記事全体のまとめ
葬儀に持参する鞄は、故人への哀悼の意を表すため、黒色で光沢のないシンプルなものを選ぶのが基本です。
殺生を連想させる動物柄や、華美な金具・装飾は避け、布製やマットな質感の革製を選びましょう。
女性は小ぶりなハンドバッグ、男性は基本的に手ぶらかクラッチバッグとし、荷物が多い場合はサブバッグを活用したりクロークに預けたりする配慮が大切です。
急な場合でもマナー違反とならないよう、基本的なルールを押さえて準備を整えましょう。




