・慶弔休暇や忌引き休暇がある場合は故人との関係性によっては休暇を取得することができる
・慶弔休暇、忌引き休暇などはあくまでも福利厚生のため、勤めている会社に必ず事前に確認する
・学生の場合は基本的に親が対応するが、大学生の場合はご自身で手続きをする必要がある
突発的に行われる葬儀では、一般的には仕事後ではなく葬儀の日に合わせて休むことが多いため、必ず有休を使用しないと休めないか気になりませんか?
本記事では、葬儀に有給を使用する必要があるのか、確認事項や注意点を解説していきます。
葬儀で有給は法律上認められているか
年次有給休暇(有給)は労働基準法で定められた労働者の権利であるため、葬儀を理由とした取得は法律上問題なく認められています。
一方で、親族の不幸に際して取得する「忌引き休暇」は法律で義務付けられたものではなく、あくまで会社が独自に定める福利厚生の一環です。
会社ごとに異なる理由
「忌引き休暇」は法律に基づく制度ではないため、導入するかどうかは各企業の判断に委ねられています。
そのため、就業規則によって休暇の日数や取得条件、給与の有無などが細かく定められており、企業によってはそもそも忌引き制度自体が存在しないケースもあります。
また、正社員には適用されても、パートやアルバイトなどの雇用形態によっては利用できない場合があるため、自身の勤務先の規定を確認する必要があります。
葬儀で有給を使えるケースと使えないケース
基本的に有給休暇は理由を問わず取得できる権利ですが、会社に「忌引き休暇」の制度がある場合は、故人との関係性によって使い分けるのが一般的です。
ここでは、有給休暇を活用すべき具体的な場面について解説します。
親族の葬儀で使う場合
親等の近い親族(配偶者や両親、子など)であれば、会社の規定による「忌引き休暇」が適用されることが一般的です。
しかし、会社が定めた親等の範囲(多くは3親等以内など)から外れる親戚の葬儀に参列する場合や、規定の日数では葬儀や法要の準備が終わらない場合には、有給休暇を利用して休みを確保することになります。
また、会社に忌引き制度そのものがない場合は、親族の葬儀であっても有給休暇を使って休む必要があります。
友人や知人の葬儀で使う場合
友人や知人、恩師などの葬儀に参列する場合、一般的に会社の忌引き休暇の対象外となります。
忌引き休暇は親族を対象とすることがほとんどであるため、親族以外の葬儀に参加したい場合は、自身の有給休暇を申請して休みを取るのが適切な対応です。
葬儀で有給と忌引き休暇の優先順位
葬儀に際して休みを取る場合、会社に忌引き休暇の制度があるならば、まずは忌引き休暇の利用を検討し、状況に応じて有給休暇を組み合わせるのが基本です。
どちらを優先すべきか、それぞれの特徴を踏まえて判断する必要があります。
有給と忌引きはどちらを使うべきか
原則として、対象となる親族の不幸であれば「忌引き休暇」を優先して申請するべきです。
これは、有給休暇の日数を温存できるため、病気やリフレッシュなど他の目的のために残しておけるからです。
忌引き休暇の日数が足りない場合や、忌引きの対象外となる関係性の人の葬儀などの場合に、補足として有給休暇を利用するのが賢明な判断と言えます。
有給を選ぶメリットとデメリット
有給休暇を使用する最大のメリットは、給与が確実に保証される点です。忌引き休暇は会社によって「無給」の扱いになるケースもありますが、有給休暇であれば収入が減る心配がありません。
一方でデメリットとしては、自身の持ち運び可能な有給日数が減ってしまうことが挙げられます。
また、忌引き休暇であれば欠勤扱いにならず評価に響かないケースが多いですが、有給残数がない状態で休むと欠勤となり、賞与の査定などに影響する可能性があります。
葬儀で有給の申請方法と伝え方
急な不幸で有給休暇を申請する際は、迅速かつ正確な連絡が求められます。緊急事態であっても、業務への影響を最小限に抑えるための配慮が必要です。
上司に伝える際のポイント
訃報を受けたら、できるだけ早く直属の上司へ電話で連絡を入れるのが基本マナーです。
メールやチャットのみでは見落としのリスクや緊急性が伝わらない可能性があるため、まずは口頭で伝え、その後詳細をメールで送ると確実です。
伝えるべき内容は、「誰が亡くなったか(続柄)」「いつからいつまで休むか」「葬儀の日程や場所」「緊急連絡先」などです。業務の引継ぎが必要な場合は、その手配状況もあわせて報告しましょう。
申請時に理由はどこまで必要か
有給休暇の取得理由は本来自由ですが、葬儀の場合は「親族の葬儀のため」と明確に伝える方がスムーズです。
特に会社によっては、故人との続柄によって慶弔見舞金の支給や、忌引き休暇の適用範囲が変わる可能性があるため、具体的な関係性(例:祖母、叔父など)を申告することが推奨されます。
葬儀で有給を使う際の注意点
葬儀で有給休暇を取得する際、会社側との認識違いや事後の手続き漏れによりトラブルになることがあります。スムーズに休暇を取り、復帰するための注意点を解説します。
トラブルになりやすい例
よくあるトラブルの一つが、忌引き休暇を取得したつもりが、会社の規定では「無給」だったり、対象外の親族であったため「欠勤」扱いになり給与が引かれていたりするケースです。
また、会社によっては葬儀の事実を証明する書類(会葬礼状や死亡診断書のコピーなど)の提出を求められることがあり、これを用意し忘れると休暇が認められない場合があるため注意が必要です。
円滑に取得するための工夫
周囲に迷惑をかけないよう、最低限の業務引継ぎを行い、不在中の緊急連絡先を共有しておくことが重要です。
また、休暇明けに出社した際は、上司や同僚に不在中のフォローに対する感謝を伝え、挨拶をすることで、職場の人間関係を円滑に保つことができます。
葬儀で有給に関するよくある質問
急な葬儀の場面では、当日の申請や短時間の取得など、判断に迷うケースが多々あります。ここでは有給取得に関する頻出の疑問について解説します。
当日申請でも問題ないか
訃報は予期せぬタイミングで訪れるため、当日の朝や急な申請になってもやむを得ないと判断されるのが一般的です。
ただし、始業時間前など可能な限り早い段階で連絡を入れることがマナーです。無断欠勤扱いにならないよう、必ず一報を入れましょう。
半日や時間単位で使えるか
通夜や告別式の一部にだけ参列したい場合、半日単位や時間単位で有給休暇が使えるかどうかは、会社の就業規則によります。
会社が制度として導入していれば、友人・知人の葬儀に短時間だけ参列するために半休を利用することも可能です。
断られた場合の対応
労働者から有給休暇の申請があった場合、会社側は原則として拒否することができません。
ただし、業務に著しい支障が出る場合に限り、時期をずらすよう相談されること(時季変更権)はあり得ますが、葬儀という特別な事情において拒否されるケースは稀です。
もし不当に拒否された場合は、人事部や労働基準監督署などの窓口へ相談することも検討しましょう。
記事全体のまとめ
葬儀に際して仕事を休む場合、法律で定められた「有給休暇」と、会社独自の「忌引き休暇」の2種類が存在します。
忌引き休暇は親族の範囲や日数が就業規則で決められているため、まずは会社のルールを確認し、適用対象であれば忌引きを、対象外や日数不足であれば有給休暇を活用するのが賢明です。
いずれの場合も、訃報を受けたら速やかに上司へ連絡し、業務の引継ぎや証明書類の確認を行うことで、トラブルなく故人を見送る時間を確保できます。




